2008年4月20日日曜日

NZ事情 教育 2

精神的自立 2

この国では、16歳になると1人前の大人として扱われる。ちなみに、法的には、15才で運転免許を取得できる。16才で結婚できる。18歳で選挙権が与えられ、仕事上でも単独で契約できる。20歳で、飲酒できる。といった風だ。

16歳になると、自分で働いて学費や生活費を捻出している子供が多いと聞く。私のKiwiの友人、C も、16歳の時、家を出てflatting (1件の家を数人で借りて家賃をシェアする)し、アルバイトしながら大学に行ったそうだ。それ以来、一切親の世話になっていないと言う。友人Bの娘は、19歳で家を出て、フラッティングし、バイトをしながら学費や生活費を稼ぎながら大学を卒業したという。息子も、現在ウェリントンの大学に在学中だが、自分で仕事をしながら学費生活費を稼いでいる。でも、子供が助けを求めてきた時は、親としていつでも精一杯できることはしてやるのだそうだ。
子供たちは、自分の考えで仕事も将来も決めてやっていくが、時に父親や母親に意見を求め素直に聞く。クリスマスや誕生日や、何かことがあれば、お互いに電話で安否を気遣い、プレゼントを贈り合う。親は、突き放しているようで、こまやかな愛情でいつも子供たちを精神的に支えているようだ。
NZでは、子供が結婚後親と同居することもまれだ。最近の住宅事情の厳しさで、結婚後親の家に同居しているという新婚カップルの記事が、いつだったか新聞に取り上げられていたくらいだから、NZでは核家族(も一長一短だ)が一般的だということが察しがつく。

日本の親は、えてして、小さいときから、子供に勉強ばかりさせ、成績がよければ喜び、学歴至上主義教育をし、卒業後は少しでも収入の良い仕事に就くことを願い、老後は子供に頼ろうとするというのが多いのではないだろうか?精神面の強さを養うことを忘れた教育を受け、自分のやりたいこともわからず、一応大学という名のついたところに行き、何とか卒業したものの、目標定まらず、いつまでもフリーター。こういった日本の現状を思うにつけ、本当の教育って何だろうとつくづく考えさせられる。

前述の石原 敏秀教授の論文によると、日本の子供の学力は確かにNZの子供の学力より優れているようだ。しかし、大学卒業後の学生の実態はどうだろうか?学力のあるものが、必ずしも生活力があるとは言えないのではないだろうか。知識があっても、それを生かす知恵がなければ逞しく生きていくことは難しい。NZで大学卒業後もフリーターを何年もするなんて聞いたことがない。まず、フリーターなどと言う言葉自体、日本で生まれたものだから、言っても??だ。確かに、就職先が見つからず、バイトの身と言う若者もたくさんいる。でも、彼らはバイトをしながら自分の目標ににあった就職先あるいは一生の仕事を探しているのであって、人生の目標も決まらず、根無し草のようににフリーターをしている多くの日本の若者とは根本的に違っているような気がしてならない。

これまで述べてきたことは、全て、自分が親としてとても未熟であったことを反省しつつ書いたものであって、私の知り合いの多くの方々が素晴らしい子育てをされて、立派に子供さんを育て上げられていらっしゃることを申しあげておきたい。

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