2011年12月28日水曜日

A health-paranoid nation

健康オタク国の1日本人として
クリスマスの1週間前から、家人が発熱。家人は、2年前(ブログ)にも、同じ症状で寝込んだ経緯があるだけに、悪い予感。38度前後の熱が3日続いたので、GP(General Practitioner: 一般開業医、ファミリードクター)に行くようしつこく繰り返した。

前回、高熱にもかかわらずほっといて、酷い目に合った家人は、さすがに今回は私の忠告に従い、GPに電話で連絡。症状を伝えると、パナドール(Panadol)を使って下がらない場合は受診くださいとのこと。パナドールは、日本のバファリンに匹敵するごく一般的に使用される鎮痛解熱剤だ。

診察もしないで、そんなことを言うの~~??と、疑問に思いつつ、とりあえずパナドールを購入し、2日間服用。でも、効果なし。熱は上がりっぱなしで、ついに40度。その後2日間、ウンウン、カッカ、湯たんぽのように熱い。アイスノン(みたいなのNZにも売っているのかな?)等備えていなかったので、製氷皿で氷をたくさん作って、濡れタオルを凍らして冷やせども、下がらず。どうやら、やっぱり、深刻な状況になりそう・・・発熱後5日目、GPに予約を入れて受診。GPは、聴診器で胸を調べて、「大丈夫、肺炎は起こしていない。」そうで、肺炎併発予防のためにと、(以前もそうだったけど)抗生物質(Amoxillin + clavulanic)10日分を処方してくれた。



10日間も??これって、多すぎない~~?!!原因も分からずに抗生物質を処方するってあり~~??!!前回も効かなかったし、もう抗生物質が効かなくなってるんじゃないの~??と、相変わらずの疑問ばかり。



抗生物質を飲み始めて4日経っても、熱は39度前後を上がったり下がったり。ついに発熱8日目、ボクシング・デイ(12月26日:Boxing Day)に、私は、GPのクリニックに電話。でもクリニックはクリスマス休暇中で、電話に出た看護婦が、緊急の場合は、シティドクターズ(City Doctors)に行くようにと言う。



40度近い熱でずっと食欲もなく、水分を補給するだけの1週間で、家人は、フラフラ。それを無理やり起こして、シティドクターズへ。シティドクターズとは、休日や時間外の緊急の場合に診てくれる施設で、GPが休みの時は、ここで診てもらえる。個人の収入によっては、無料で診てもらえるけど、規定以上収入のある人は、GPより少し高い料金(70ドルほど)を払わなければならない。でも、ここにはレントゲン設備もあるようなので、撮ってもらえるかも??と期待・・・



思ったより混んでなかったので10分ほどの待ち時間で、診察室に。担当医師に、2年前のことも含めてこれまでの状況を説明。家人は、細々とした声で時々咳き込みながら話すので、このドクター、フルー(インフルエンザ)と思った(フルーならとっくに私に移ってるでしょうに!!?)らしく、突然「マスクを取ってきます」と言って、出て行った。やがて大きなマスクをして戻ってくると、やおら家人に近付いて、あれこれ質問。余り詳細を言わない家人にイラついた私が、あれこれ補足説明。



その後、ドクターは、聴診器を背中と胸に当てて検査。以下は、その時の私とドクターの会話。



ドクター:「大丈夫。何も音がしないので肺炎は起こしていません。」



私:「でも、2年前のこともありますし、肺炎のワクチンを受けた方がいいのでは?」



ドクター:「フルーのワクチンのことですか?」



私:「いいえ、肺炎球菌ワクチンです。今、日本では、高齢者には、予防のために肺炎球菌ワクチンを受けることを推奨しています」



ドクター:「あ~、日本は、健康パラノイド(paranoid:偏執症、こだわり過ぎの)だからね。NZでは、そのワクチンは使っていません」



私:(心の声:パラノイドだと~~??!!医療後進国?!の医者が何言ってんのさ~~!!) 「ま、そういう面も有りですけど・・・でも2年前のこともあるし、レントゲン写真を撮った方がいいのでは?」



ドクター:「その必要ありません。肺炎にはまだなっていませんから。抗生物質を飲んでいるから大丈夫でしょう。来年の9月頃、フルーのワクチン接種を受けた方がいいでしょう。」



私:(心の声:肺炎起こした後じゃ遅いだろう~~!!抗生物質なんかちっとも効いてないじゃないの!!ニャロメ~!)「分かりました」



てな具合で、気の弱い(ホント!)私は、心で思ってることとは裏腹に、結局、大人しく引き下がり、これじゃ、高熱を押して来たのに、治るどころか酷くなりそうじゃないの~~!!!



クリニックを出る時、受付の所に「手洗いを励行して病気にならないよう気をつけましょう」と書いてあるのに気づいた。でも、もちろん消毒スプレーなんてどこにも備えていない。



日本なら、来訪者や患者は皆マスクをして、あらゆる所に消毒スプレーが置いてあるのにな~~・・・NZでは、フルーが流行ってるからと言っても誰もマスク(なんかしてたら、今から銀行強盗でもするんじゃないかって、ウサン臭い目で見られるに違いない)をしてないし、街中でも消毒液なんて置いてある所ないもんな~~・・・この国では、皆、何事も自己責任で対処するのだ。自分で健康管理できない人は、病気して死ね~~ってことなんだ・・・などと、ブツブツ、思いつつ家路についた。



結局、熱だけの症状で、病名は何か、診断してもらえず(私が”クリスマス熱病”と命名)、不満な私は、インターネットであらゆる情報を調べている。インターネット上は、情報の氾濫・・・やっぱり、私も健康パラノイド国民??日本人は、あれこれ情報を得て、病名を自分で診断して医者に告げるので、医者は、困惑すると言う話をよく聞く。健康パラノイド・・・確かに、言い得て妙・・・日本人の清潔好きで健康オタク(偏執症よりこの方が響きがいい)は、世界的に有名らしい?何事にもノー天気で気にしない国民性のNZと、健康パラノイド?の日本。足して2で割ったらちょうどいいのに・・・



という訳で、今年のクリスマスは、飲まず食わず騒がず?で、静かに終わった。間もなく2011年も暮れて、新しい年、2012年がやってくる。願わくば、新年までこの「クリスマス熱病」を持ち越さないでほしいんですけど?カジンサマ?



日本の皆さま、しっかり清潔な健康オタクに徹して、寒い冬を無事に乗り切り佳き新年をお迎えください!! ~~/
(写真:クリスマスに満開の我が家のアジサイ)