2014年2月19日水曜日

Park rangers

パークレインジャー

月曜日(17日)、夕食後、突然友達のチェリーから電話。
「明日、ブッシュに行かない?」
「エ?ブッシュウォーキング?日曜日に行ったばかりだけど、行っても良いな~~。で、どこに行って何するの?」

彼女の、例の弾丸のような早口の英語で説明する内容から、かいつまんで理解した所に寄れば、どうやらホークスベイ(Hawkes Bay)のブッシュで、レインジャー(park rangers)との集まりがある・・・らしい。

Rangerと聞いただけで、好奇心がむくむく頭をもたげる。

「ウン、行く行く!」と、良く分からないけど、二つ返事。
「じゃ、明日朝、7時半に迎えに行くから。山歩き出来る服装で。水とスナックくらい準備すればいいから」

昨日(18日、火曜日)6時半に起きて準備。7時半にチェリーから電話。
「遅くなってごめん。今から出るから」「ノープロブレムよ」・・結局彼女が来たのは8時。

国道3号線(State High Way 3)のAshhurstからManawatu Gorgeを抜け、2号線に入りWoodville、 Dannevirke、Nosewood を抜け、しばらく行くと、50号線に入る。9時半にレンジャーと会う約束をしていると言うチェリーは、焦っている。ウィークデイの朝だから、トラックが多い。山から切り出した木材を縦に3列に積んだ長いトラックが、6台ほど続いて走っている。ネイピア(Napier)へ向かっているのだ。彼女、そのトラックを追い越そうと、あまり車間距離を取らず運転するので、私は、怖くて、左手でしっかり窓の上部にあるハンドルをつかみ右足は、ブレーキを踏む格好で、力が入る。


やがて、Ongaonga(マオリ語でnettle:イラクサ)と言う変わった名前の標識に向かって入って、しばらく行くと、ブッシュの入り口らしい広場があった。Monckton Scenic Reserveと書いてある。

そこには、Department of Conservationの車が停まり、rangersの二人が待っていた(30分位の遅刻?)。背が高く、ボーイスカウトのような、カーキ色の短パンにトレッキングシューズを履いた健康そうに日焼けした長い足のハンサムな男性二人(アラ~!かっこいい~~)。

赤ちゃんと3~4歳くらいの女の子を連れた女性も待っていた。この女性は、チェリーの姪だそうで、この近くに住んでいるので、会う約束をしてたらしい。

Rangersの二人とチェリーが、しばらく話し合っている間、入り口の看板を読んでみる。

・・・16.5ヘクタールのこの森は、1975年に、保護地として残すよう、G.L. Monckton氏が寄付した。かつてPodocarpと beech treeで覆われていた名残がある保護地。totara、rimu、matai、 kowhaiなどのネイティブの樹が再生している・・・

Rangersの説明を聞きながら、ブッシュの中を歩く。beech treesの緑がさわやかだ。南島のアーサーズパス(Arthurs' Pass)のWilderness Lodgeで会ったbeech treesの保護活動しているジェリー博士(Dr. Gerry McSweeney)のことを思い出す。

beech treesやその他のネイティブの植物をおびやかす、ペスト(pests)の一つにJapanese honeysuckle(スイカズラ)があると言う。そのツタが木々を覆い尽くし、やがて枯らしてしまう。日本原産の植物で、それがペストと言われると、自分が責められているみたいでいたたまれない気持ちになる。可愛い花を咲かせるスイカズラも、ここでは、原生林を脅かすペストとして憎まれているのだ。でも、そういったペストを駆除して、森林や公園を守るのがpark rangersの仕事。

セミの抜け殻。NZのセミはとても小さい。







奇妙なキノコ。

チェリーは、地質学研究者で、自身は癌との闘病のかたわら、政治経済、環境保護の様々なグループの会議や集まりに参加したり、知恵を貸したりして、活発に動き回っている。原生林を守るために、ボランティアの手がいくらあっても足りないから、rangersと協力して活動しようとしているらしい。

そのあと、近くに住むチェリーの姪の家に行ってお茶をごちそうになる。時々、農家がぽつんと広いファームの中にある小さな集落の中の一軒。お家の横の大きな樹の下の囲いの中には羊が10頭ほど。

でも、家の中は、超モダンに設計されていて、ゆとりのある素敵なリビングの向こうは、広~~い芝生。その向こうに広がる緑の裾野とルアヒネ山脈(Ruahine Range)を借景にしたすばらしい環境。

まだ生まれて6カ月ほどのスカーレットとその小さいお姉さんのヘナと、子供心に帰って、お話ししながら、一緒に遊ぶ。

こんなのんびりした、平和な環境で育った子供たちは、きっと、まちがいなく、すくすく素敵な大人になるに違いない。日本の子供たちは、そういった意味では、かわいそう・・

今日は、あまり歩かなかったけど、良い経験だった。自然保護に力を入れているNZの、多岐に渡る多様な保護活動の一環を少し知ったからには、私も自然保護のボランティア活動に参加するか~~??

2014年2月17日月曜日

Manawatu Gorge Bush Walking

マナワツ渓谷ブッシュウォーク
昨日日曜日(16日)、我が家近辺は、電気工事で、朝9時から午後2時まで停電。家にいても何もできないので、出かけることにした。

目的地は、マナワツ渓谷(Manawatu Gorge)のブッシュウォーキング(bush walking)。2007年の2月10日に一度歩いたけど、あの時は、Tawa Loop Walkコースだけで、4.2km、半分しか歩かなかった。

全行程、約10キロ、は、環状コース(loop)ではないので、アッシュハースト(Ashhurst)側の駐車場に車を停めて入ると、出口はウッドビル(Woodville)側にあるので、そこからまた元の道を歩いて戻るか、あるいは、グループで来て、もう一台の車をあらかじめWoodville側に置いて、それに乗って10分走ってashhurst側まで戻るしかない。

この不便さを解消して、より多くの人にManawatu Gorgeを楽しんでもらおうと、今年は、初めての試みとして、Palmerston Northのi-SITEからウッドビル側の登山口まで、期間限定で、シャトルバス(Shuttle bus)が運行されることになった。デスティネーションマナワツ(Destination Manawatu)、マナワツ地方議会(Manawatu District Council)、パーマストンノース市議会(Palmerston North City Council)、それに地主の協力の下、1月18日から3月30日まで、土日の9時から6時まで運行するという。

で、今回は、シャトルバスを利用して、全行程10.1キロを制覇することに。

7時10分に起きて、山登りの準備、と言っても、整備された山道なので、長袖シャツにジーンズの軽装。水、緑茶のボトル2本。紅茶入りサーモ。チョコレートにクッキー、ガムなど、少々。

8時半に、家を出て、スクエアにあるI-Siteの横の駐車場に車を停める。パーミーは、日曜日は、有料駐車場は全て終日無料。土曜日は、5時半から無料。これは、すごいことだと思う。週末の買い物客の集客で経済効果大の賢い措置だ。

I-Siteの前には、既にシャトルバスが。でも、運転手さん一人。一人片道5ドル。結局乗客は私と相棒の二人だけで出発。

途中、ドメイン(Domain)やAshhurstに寄るけど、誰も乗ってこない。30分でManawatu Gorgeの駐車場へ着いた。すでに10台ほど車が停まっていて、数人がブッシュに向かっている。

ウォーキングトラックの入り口は、高速道路の下に作られた木の歩道を渡った向こう側になる。頭上のコンクリートの上を、猛烈な勢いで車が走る。

9時40分。ブッシュに入った途端に、薄暗くひんやりとした空気に包まれ、道路の排気ガスの匂いはみじんも感じられない。

道は、所々案内板が立ち、整備され、湿っぽい道には、遊歩道(board walk)があり、歩きやすい。

それでも、急な上り坂や下り坂多々あり。結構大変だ。

途中、300m先に展望台(Lookout)あり、のボードを見て、行ってみることに。何と急な坂道!木枠で囲った階段をいくつもいくつも降りた所だった。往きは良い良い、帰りは怖い!

元の分岐点に戻るのに登ること、あと数十メートル、フ~!足がもう上がらない・・・一休み・・・と、頭上の枝に、野生の鳩(Keruru:Wood Pigeon)のカップルがとまって居るじゃないの!仲良く枝から枝へ飛び回っては、枝で一休み!くたびれたけど、おまけがついて、ホッと心和むひと時。やっぱり寄り道して良かった~!

頭上は、林冠(canopy)に覆われ、外気温は28度くらいありそうだけど、ここは多分20度くらい?の別天地。暑苦しいセミの大合唱と、小鳥たちのさわやかな鳴き声を聞きながら、汗ばんだ肌に、ひんやりとした空気が心地良い。木漏れ日に輝く緑が、目に優しい。ウ~~ン!さわやかな緑の匂いがする~!胸いっぱい吸って行こう。

時々休んでは、水を飲み、チョコレートやクッキーを食べ、緑ばっかりの中に、時々、小さな赤い花や実や、虫を見つけては、感激しいしい、11時10分頃、やっと5キロの地点に。



そこから少し右に入った所に、突然開けた台地。パーミー名物?の風力発電の風車(wind mill)が林立。近くで見ると、やっぱり、でかい!

所々に、毒物警告。野生の保護動物を守るため、ポッサム(possums)、イタチ(ferrets, weasels)、オコジョ(stoats)などを駆除するための毒の餌を撒いている。


大きなコル(Koru:シダ類(ferns)の新芽)が。

Woodvilleの集落が見えて来た。






Kawakawaの葉っぱは、切り傷やおでき(boils)に効く薬草だそう。少し摘んで持って帰ろう。





NZネイティブのfernsのcanopy。200種あるシダのうち58種がマナワツ渓谷で見られるそうだ。





Manawatu Riverの上流。






12時半頃、後1キロの地点にたどり着く。ハ~~、くたびれた。お腹もすいたな~~





下りの階段。出口は、まだかな~~??・・・

1時少し前、やっと出口にたどり着いた。ここにも10台くらい車が駐車している。

ここから右に2~300メートル?程歩いた所にあるブリッジカフェ(Bridge Cafe)に、シャトルバスが来る。2時を逃したら、次は4時まで来ないから大変。

お天気が良いせいか、カフェはすごく混んでいた。ランチの注文にずらりと行列。並んで待っている間に、もう1時20分。注文取りのお姉さんに、念のために、2時のバスに乗るのに間に合うかしら?と聞くと、大丈夫!と言う。
でも、ランチが来たのは、1時50分。10分であわてて食べた。

結局、シャトルバスは、2時頃着いたものの、運ちゃんは、カフェで飲み物などオーダーしてのんびり。やっぱり、ここはNZだ。出発は結局、2時20分頃。注文取ったお姉さんもこれを知ってたんだ。何だ!もっとゆっくり食べるんだった。NZに10年以上暮らすのに、なかなか、時間にきっちりした日本人気質が抜けない。困ったもんだ。

帰りのバスは、8人くらい乗ってきた。中には、Ashhurst側の駐車場に車を置いて、ブッシュを歩き、ここでバスを拾って、駐車場まで帰る(2.5ドル)というグループもいた。なるほど、次はこのやり方も良いかな?あ~、でも、10キロのアップダウンを歩くのって、結構、ご老体には大変だよ~~!次はありかな~~;??

また、この大変さを忘れた頃?今度は往復に挑戦してみる?・・・達成感って、やっぱりすごく良いものだ・・・

2014年2月9日日曜日

Medieval Market in Levin

中世風マーケット

8日(土曜日)パーミーから50キロ程南、ホロフェヌア 地区(Horowhenua District)にある街、レヴィン(Levin)のMedieval Market(中世風マーケット)に友人と出かけた。正確には、"Ye Olde Manakau Medieval Market"。中世ヨーロッパの戦いや衣装を再現することを趣旨にしたグループ"Red Revens"の協力を得て、200以上の露店で賑わうマーケット。売上金の一部は、色々な福祉団体に寄付される。

早朝の激しい雨が上がった後、9:45am、出発。途中また大雨。でも、10時半頃、現地に着いた時は、すっかり雨も上がって、既にすごい人出。入場料$5也を払って中へ。 

 広い敷地内の両側に露店がずらりと並んでいるのを覗きながら、奥へ奥へ。


中世の騎士の衣装に兜と盾ををつけた人を的に、弓矢で射るゲーム場。

中世風の頭飾りや、小物を売る露店、その他、古本、アクセサリー、土地の手作り食品や石鹸、フード、たくさんのお店を覗きながら一番奥にたどり着いた。

仕切りをした中の広場で、戦士の戦いが繰り広げられている。

衣装は、ほとんどが4枚重ねで、鎖帷子(chain mail)を着たら25キロ位あるそうだ。武器の刀も、鋭利ではないものの、金属でとても重い。それに兜をかぶったら、この暑さの中、あれだけ動き回るのだから、カロリー消耗も激しいに違いない。太った人が多いから、良いダイエットになる?

私が写真を取っていたら、マイクを持って司会をしていた、頭に冠を着け、オレンジ色の長い中世風衣装のお腹が突き出たおじさんが、近づいて来て、写真撮って、と、ポーズする。「どこから来たの?」と聞く。カメラを持った観光客、と思われたくないので、日本からとは言わず、とっさに「パーマストンノースから」と答えたら「オハヨゴザイマス」と返してきた。少し日本の知識があるらしく、”スモー”と言ってしこを踏んでみせる。楽しいおじさん!
司会のおじさん

戦いの後は、女性の騎馬兵3人が、馬に乗って走りながら、杭の上のスイカを武器で割ったり、杭にかけてある輪を武具で引っかけて取ったりする競技を見せてくれる。


Red Ravensのメンバーは、家族ぐるみで楽しんでいる人達が多く、子供たちも、それぞれ中世風の衣装に身を包んで、マーケットを楽しんでいる。

3歳くらいの可愛い騎士。女の子かな?それとも男の子?お母さんの手作りだろうか、ニットのとても素敵な衣装を着け、紙製の盾を持ち、チョコチョコ動き回っている。

最後に、子供たちに、新聞紙を丸めて作った剣で戦士たちと戦わせて、楽しませる。

いつも、思うことだけど、NZでは、オークランドの大都市では、いざ知らず、パーミーの周囲では、小さな村々から街、地方に至るまで、1年中、市民が楽しめる行事が目白押しだ。自治体主催、あるいは、自治体と非営利団体との共催などで、マーケット、フェア、コンサート、お祭り、スポーツイベント、等々、週末は(たまにウィークデイも)いつも、何か、あちこちで催しがあっている。どの行事も、家族連れで楽しめるようになっている。

日本では、こんなに年中、行事をする自治体は、あまり無いのでは?子供が学校に行ってる間は、運動会やお祭りなど、家族ぐるみで出かけるけど、それ以外で、街中の人がこぞって参加する行事など、年に何回も無い様な気がする。特に都会に住む人は、隣は何する人ぞ?で、関わり合いを嫌う。日本は、お金さえ出せば、いくらでも、グルメ、娯楽が楽しめるから、こんな行事は必要ないのかもしれない。

NZは、あれこれ、楽しめる施設が少ない分、まだ人間関係の暖かい繋がりが濃いのかもしれない。特に、父親の子供への関わり方は、見ていて、すごく良いな~~と思う。どこででも見る光景の一つだけど、子供を連れた親子のいずれも、父親が、子供の面倒を良く見ることだ。しかも、父親としての威厳があり、悪いことをしたら、凛とした態度でたしなめる。子供は、即、素直に、言うことを聞く。日本の働き蜂のお父さんに、見せたい光景だ。

こう言った地方のイベントに参加すると、何だか、とても暖かくて、楽しく、心豊かになる。かくして、お祭り好きの私は、すぐ、どこにでも出かけて行くのだ。

2014年2月5日水曜日

Funeral and burial service

葬式と埋葬式

昨日、2月4日、友人のお葬式に参列した。癌を患い、3年ほどの闘病生活の末、1月31日金曜日、安らかな永遠の眠りについたMさん・・今年の12月で65歳になるところだった。

お葬式は、10時半からTerracehaven Chapelという葬儀場で執り行われた。その後、出棺。NZは、火葬(cremation)、埋葬(burial)のどちらか選択できる。宗教上、Mさんは、埋葬なので、共同墓地での埋葬式にも、他の出席者と共に参列した。

Kelvin Grove Cemeteryという、36ヘクタールの広大な墓地。参列者の車20台ほどが、ずらりと並んで入って行く。広大な墓地には、一列何十?かの墓石が横並びに並んだ墓地が何列も何列も果てしなく続く。各列にも墓石にも、番地が付いているわけじゃない。これでは、墓参に来ても、目的の墓を見つけるのはとても困難に違いない。

ずっと入って行った、一番奥に、3~4列ほど、まだ空き地があり、その一角に長方形の、お棺が入るだけの穴が掘られている。穴のサイズに組まれた四本の金属パイプが、その周りに置かれ、ベルトが2本、長い方のパイプ2本の両側に渡して巻きつけられている。このベルトにお棺を載せて、スルスルと地面に降ろすのだ。

6 feet under(お墓の深さ:183cm下:死亡したと言う意味に使われる)という言葉があるけど、覗いてみると、なるほどかなり深い・・2メートルくらいありそうだ。お棺が降ろされ、ベルトは両端に引っ張られ、抜かれた。

お棺の上に、数人が水を撒く。次に、カゴいっぱいに用意された花弁を、ひとりずつ手に掬い、お棺の上にパラパラと降る。お棺は、たくさんの美しい花びらで見えなくなるほどだ。

その後、代表者の祈りと詠唱。それが終わると、力のある男性数人が、横に積み上げられている土を、シャベル(shovel)で穴に戻して行く。

お棺と美しい花がだんだん土に埋もれて行く。小1時間かかって、穴は埋められた。墓石が出来てくるまで持たないだろうけど、花束が、2つ、捧げられた。

乾いた土盛りを見ていると、何だか、堪らなくなる。Mさんは、土の下で、やがて朽ち果てて骨になり、何十年も何百年も、残るのだろうか・・死んだら、肉体は滅びるもの・・・なのに、等身大の骨を残す必要などあるのだろうか?彼女、あの世から、自分の肉体が埋められているのを見てどう感じているのだろう?

私は、絶対埋葬は嫌だ。子孫に墓守の面倒を掛けたくないからお墓も必要ない。人は土から生まれ、また土に還る。火葬してもらって、灰にして、庭の樹の下にでも撒いてもらえばいい。カルシュームだから、樹のためにはなるでしょ?以前、姉にそう言ったら、「貴方の灰じゃ、環境破壊するからやめないさい」だって!失礼ね!どういう意味?!

お葬式の後に、こんなことを書くのは不謹慎かもしれない。Mさん、ごめんなさい。でも、彼女なら解ってくれるでしょ?

May your soul rest in peace.