2010年12月31日金曜日

NZの隅々を旅するの記9-8b

Wilderness Lodge 2
10月3日午後
1.テスと羊たち
ホテルに戻ると、ゲリーが、羊の毛刈りの実演を見せてくれると言う。今日は、アメリカ人のカップルは、ジェーンだけで、ご主人のアランは、出て来ない。どうやら、お疲れで、お部屋で休んでいるらしい。

ゲリーは、我々をファームに連れて行って、テスに、何やら命令する。テスは、イギリス原産の牧羊犬ボーダーコリー犬(Border Collie)だそうだ。テカポ湖のそばの牧羊犬の記念碑銅像もこのボーダーコリー犬だ。
ゲリーの掛け声で、テスは、はるか彼方のファームの隅にいる羊のところに、脱兎のごとく飛んで行った。羊の周りを、無言で(吠えないで)、左に、右にと、グルグル回って、羊たちを威嚇しながら、まとめている。

間もなく、10数頭の羊をひと塊りにまとめて、グルグルまわりを回りながら、徐々に、徐々に、こちらに向かって連れてくるのが見える。

ついに、1頭も逃さず、ゲリーの所まで連れて来た。お見事!

いずれも大きな雄の羊(ram)たち。大きな角があるメリノ(Merino)等、他数種類の羊たちが勢ぞろい。







フサフサした長い毛の羊。暖かそう~~!








ゲリーは、その中の大きな角を持ったメリノの雄(ram)1頭を、抱きかかえてお座りさせ、ひとりひとりに、後ろから角を持って抱かせる。私の番になって、恐る恐る抱いたら、すごい!毛がベタベタして、大きくて、重い!心臓がパクパクしているのが、もろに伝わってくる。羊は、大きな体をしていても、蚤の心臓たというのがよく分かる。それで、いつも集団行動をするので、牧羊犬1匹で十分彼らを統率できるのだろう。

(*ここで、今年は終わりです。皆さま、1年間、ありがとうございました。佳き新年をお迎えください!^^/)

2010年12月27日月曜日

NZの隅々を旅するの記9-8a

10月3日 午前 
Walking around the Arthur's Pass
今日は、午前中、アーサーズパス周辺を探索することに。お弁当にサンドイッチを作ってもらって、車でアーサーズパス駅まで行った(写真:左に駅の建物)。



10時半頃、駅には、クライストチャーチ(8:15発)から来たTranz Alpine号が停車中。やがて、グレイマウス(12:45着)に向かって走り出した。

人慣れした、NZネイティブバードのケア(Kea)が、駅舎や、インフォメーションセンターや、カフェの辺りをたむろしている。どうやら、食べ物を貰おうと思って、ウロウロしているらしい。野生のケアが、自分で餌を捕る能力を失くすので餌をやらないで下さいと、注意書きがあっても、やる人がいるのだろう。
アーサーズパス村のシンボル?可愛い教会。


インフォメーションセンターで、案内図をもらって、まず近くの、Bealey Vallyへ。ブナの木の林の苔むした遊歩道を歩いて行くと、谷川に。
川のせせらぎが、冷たくて澄んでいる。入れ物に入れて家まで持って帰りたくなる。

戻って、次は、滝を見に行くことに。ブライダルベール(Bridal Vail Falls)とデビルズ・パンチボール(Devil's Punch Bawl Falls)。まずは、Devil's Punch Bawlへ。滝に行きつくまでに、いくつか山を越えなければならない。平地からも見えるらしいけど、往復1時間だそうだ。せっかく来たからには、そばまで行こう!
階段と坂道でできた遊歩道は、いったいどこまで続くの~~~!!!フランツ・ジョセフ氷河の小山より、もっと急坂で遠い(と感じた)。やっとの思いでたどり着いて、見た滝は、丸いワイングラスのような楕円の反円。なるほど!確かに、でかい悪魔のパンチボールだ!!

滝の前の展望台で、サンドイッチのランチを食べていると、若いお母さんと男の子、女の子の親子が登ってきた。クライストチャーチから来たとか。帰り、一緒に降りたが、さすがに若い!たちまち親子は、走って先に降りてしまった。
ブライダルベールの滝までは往復1時間半。もう歩くのは十分!!誰も行きたいと言わない。割愛してホテルに戻る。

2010年12月20日月曜日

NZの隅々を旅するの記9-7

10月2日 Wilderness Lodge 1
夕べ、ゲリーが、7時半に森の散策に連れて行くと言っていたのに、誰も起きなかった。私は、小鳥のさえずりとともに目が覚め、朝日が昇るのをベランダからしばし眺めて楽しんだ。外は、吐く息が白くなる程寒い。半月が真正面に。自然を満喫してください、と、言わんばかりに、お部屋には、テレビもインターネット接続の設備もない。文明から離れて、こうやって、
自然の環境を満喫できる、何というぜいたく空間。

昨日は、途中で戻ったので、朝食後、また、森を散策に出かけた。広大なブッシュの敷地内には、道標があり、番号の通りに歩いて行けば、迷うことなくホテルに戻れるようになっている。

樹の香りで一杯のしっとりとした森の中は、生して、これまで雨が多かったのだろう、あちこちに水たまりができている。 でも苔の上に座ってもお尻が濡れないから不思議だ。

若草色の苔の絨毯を踏みしめると、ふんわりと柔らかい。


丘の頂上から、見降ろす。空には、ぽっかり、エイのような形をした雲が。

アーサーズパスの辺りで、おそらく一番素晴しい環境を独占しているに違いない。ホテルの建物の周りの敷地は、羊を飼っている広大なファームだけでなく、いくつもの山も含まれる。これだけの土地(*6千エーカー)を管理するのは、大変なことに違いない。姉が着けていた万歩計は、1万4000歩ほど歩いたことになっていた。
(参考*1エーカー=4,046.86㎡=約1,224坪)

ホテルに戻ると、お昼時。昼食は付いていないので、サンドイッチを注文。レタスやトマト、チキン等はさんで、とても分厚くて美味。ラウンジで食べていると、年配のカップルが入ってきた。新客だ。イタリア人カップルは、1泊だけで、今朝、次の目的地に向けて発った。季節はずれで、我々だけかと思ったら、けっこう、こんなオフシーズンでも、お客がいる。やっぱり、人気なんだ。


ゲリーが出て来て、「今朝は、待ってたのに出て来なかったね~。今から、森の探索に連れて行きましょう」と言う。エ~~、今、あんなに歩いて来たばかりなのに~~!!、と思いながらも、また出かけることになった。

ちなみに、気さくなおじさん、”ゲリー”は、やっぱり、Dr.Gerry McSweeneyで、エコロジストでバイオロジストの博士号を持つ方だった。博士、失礼しました!(^^;)ゞ。

フロントにいたりして、時々、お世話くださるおっとりした中年の女性は、奥さまで、名前は アン(Ann Saunders)、教師だそう。ふたりで、1981年、モエラキ湖(Lake Moeraki)で、ウィルダネスロッジ経営を始め、アーサーズパスのこのロッジ共、経営しながら、自然環境保護の観点から、宿泊客に、植物や動物への関心を高める体験をさせてくれる。NZの自然環境保護団体の重鎮だ。


今回は、先ほど着いたカップルも一緒だ。アメリカから来たと言う。このロッジは、博士の名と共に、国際的に、高く評価されているようだ。


ゲリー博士の指示に従って、アメリカ人カップルと我々の二グループ一緒に、道標に沿って道をたどっていると、突然、ワンワンワンワン、犬の吠える声。見ると、黒白の犬が、一生懸命我々に向かって吠えている。どうやら、自分に付いて来いと言っているようだ。彼?彼女?に付いていくと、そこにゲリーがいた。ゲリーが、テスだと紹介してくれた。彼女、テスは、牧羊犬で、ご主人様に絶対服従の、とても賢い犬だ。



(写真:ブナの木)ゲリーは、我々が今朝歩いた森の道をまた案内すると言う。今度は、あちこちで止まりながら、植物の説明をしてくれる。これで、ブナの木(Beech tree)がどれかやっと判った。今年は、寒過ぎて、まだ新芽には早すぎるそうだ。ざ~~んねん!

ブナの大木の母木(mother tree)は、その下に宿ったたくさんの子供の木々を、過酷な太陽や雨風から守り、やがてその使命を終えると、朽ち果て倒れて、若木の栄養となり、命を譲り渡すのだそうだ。若木も、たくさんの中から強い木だけが残り、弱い木々は、朽ちて倒れ、次代を担う若木の栄養となるという。


ヤドリギ(Mistletoe)の説明、ヤドリギには、2009年、2008年、1992年…といった具合に、根付いた年が書いてある。赤や黄色の花が咲く。花が咲くのは12月頃らしい。ヤドリギも宿を貸した木も、お互い助け合い、共生しているのだそうだ。棘で覆われた木がある。小鳥から実を守るために棘が発達したそうだ。苔もあれこれ種類がある。 (写真のヤドリギは、3年目のもの)


大木の割れ目に、大きなキノコ?これ、猿の腰かけ?日本に持って行ったら高く売れるんじゃ??

あちこちに、ブナの老木が朽ちて倒れている。朽ちた枝葉は、腐葉土となり、倒れた枝木や、幹は、ストーブの薪にも利用される。植物のライフサイクル、自然の仕組みは、ほんとに驚嘆だ!

ゲリーは、いちいち紙に書いては説明してくれる。博士は、心底、植物が好きらしい。言葉は、左の耳から入って右へとたちまち消えて行ったけど、やっぱり、何も知らずに、ただ眺めるだけとは、大違い。植物の一つ一つが、一段と生き生きと見えてくるから不思議だ。色んな自然界の仕組みを学ばせてもらって、自然を大切に守らなければ、と言う気持ちになってくる。

ブッシュを降りて、清流を左に見ながらホテルの方に歩く。この清流の水は、ホテルの飲料水、生活用水となっている。定期的にちゃんと水質検査をしていると言う(実際、ここの水は、ほんとに美味しい!)




ゲリーは、今度は、右のブッシュに入る。と、眼前に、大きな池が突然現れた。水が澄んで、なにやら透き通った丸いものがいっぱい浮いている。オタマジャクシ(Tadpole)になる寸前の、カエルの卵(Frog spawn)だそうだ。夕べのカエルの大合唱の素なんだ。

ゲリーは、池を離れ、ホテルは戻らず、今度は、広大なファームの中を通り抜け、ホテルと反対側の山に向かってどんどん歩いて行く(え~~、まだ歩かせるの~~?!)。展望の良い所に着くと、そこには休憩用に木のテーブルとイスが備えられていた。と、テスは、さっさと、そのテーブルの上に上がってお座り?・・ン・・??ゲリー曰く、「テスは、宿泊客といつもこのテーブルのところで記念撮影をするので、皆さんを待ってるんですよ。」で、我々も、テスと一緒に記念撮影。

この展望台から、道無き坂を下り、草地に出ると、やがて小川が行く手を阻む。向こうの山に行くには、ここを渡るしかない。足がやっと乗るほどの飛び石と、石の上に細い板を渡してある所を通らなければならない。水は浅いけど、靴を履いているので落ちないように渡るのは、大変だ。年配の足の悪いカップルには、少し酷なようだ。なのに、ゲリーは、お構いなし。皆に、その川を渡らせる。彼が手を貸したにもかかわらず、アメリカ人の奥さん、ジェーン(多分、そんな名前だったと思う?)は、片足落ちて濡れてしまった(写真:小川がゲリーの後に見える)。

川を渡ると、ゲリーはどんどん山を登って行く。ジェーンのご主人のアランは、杖を使いながら歩いていたけど、途中、挫折。帰りに落ち合うと言うことで、座り込んでお休み。

私たちは、ゲリーに付いて、山を登り、あれこれ、植物の説明を聞く。この植物博士は、もう、植物の話になると、夢中だ。可愛くて仕方ないと言ったように、樹を撫で、草を撫で、花を愛で、木に絡みついた柔らかい草を取っては、”髭(mustache)”だといってあごにくっつけたり(写真)、説明にいとまがない。

写真は、400年は経ったと推測されるブナの老大木。










丘の上からの眺め。真中あたりの緑の丘に続く並木まで広大な敷地。その向こうにワイマカリリ渓谷が見える。

ホテルに戻って、夕食。今日は、良く歩いた。朝の散歩と合わせて、何と、万歩計は、3万歩を越えていた!!!ふだん、よく歩いてもせいぜい7~8千歩。すごい!

2010年12月15日水曜日

NZの隅々を旅するの記9-6-b

10月1日 午後 Arthur's Pass~Wilderness Lodge

アーサーズパス(Arthur's Pass National Park)に入る。青空が出た!快晴!アーサーズパスが雪で閉鎖されたら?とか、寒くて凍えるんじゃないかとか、心配していたのがうそのようだ。

今回のメイン、目指すウィルダネスロッジ(Wilderness Lodge)はどこ?アーサーズパス村(Arthur's Pass Village)の駅前に車を止めて外に出る。さすが、海抜700メートル以上の高地だ。すごく寒い!!まだ4時頃なのに、駅のそばのインフォメーションセンターは閉鎖されている。そばのカフェで道を聞いて、またドライブ。

ワイマカリリ川(Waimakariri River )が流れるV字谷渓谷を左に見ながら、30キロほど走る。



と、やがて右手にロッジの看板を見つけた。看板の横の道を入って行く。道に沿って両側に広がる牧草地には、羊がいっぱい。その向こうには緑の山が連なる。これらの全てが、どうやらロッジの敷地?すごい広大!
小川のせせらぎを左に見ながら、ブッシュの間の道をしばらく行くと、やがて2階建てのロッジ。車を止めてフロントに。受付にいた背の高い若い女性が、2階の一番奥の2部屋に案内してくれた。エレベーターがないので、荷物を運ぶのが大変だ。

この2室は、家族用で、中はドアで行き来ができるようになっている。オフシーズンで、他にお客は、いない模様?すごく親切だ。片方の部屋にはバスタブが付いていないので、もうひとつ隣の部屋(バスタブが付いているから)も使っていいと言って、3部屋のキーカードを置いて行ってくれた。写真のベッドの右側に隣室への2重ドアがあり、行き来できるようになっているので、姉たちは大喜び。バスタブなんか入らなくていいということで、結局、3部屋目のキーカードは、お返しすることに。

(写真:お部屋から渓谷を見下ろす)ウィルダネスロッジは、NZの尋常のホテルのような1部屋単位の値段ではなく、1泊おひとり様310~499ドルの世界。朝食夕食付だが、これまで、1部屋100~200ドル前後の宿泊施設に泊っていたので、このおひとり様400ドルの宿泊費は、目の玉が飛び出そうな、日本のお宿並みのお値段。でも、姉が、支払いは任せなさい!とドンと、胸を叩いて言ってくれたので、お言葉に甘え、ロッジと何度か連絡を取りながら、ゆとりの3泊4日の豪華版予約をした。オフシーズン(安い方の部屋で5月から9月まで310ドル)とシーズン中(10月から4月まで399ドル)とでは、値段がかなり違う。が、10月1日から4日までの予約を、オフシーズンの値段(310ドル)でいいということだった。感謝!

部屋に荷物を置いて、1階の広間に降りると、間もなく、若いカップルが入ってきた。どうやら彼らも泊るらしい。

(写真:敷地内の丘の上からホテルを望む)我々は、夕食まで、周りのブッシュを散歩することに。目的のブナ(beech tree)の芽生えはいかに?!と言っても、ガイドなしでは、どれがブナやら、何やら、さっぱりわからない。でも、森の中は、しっとりとして、苔むした緑の絨毯を、踏みながら歩くと、独特の香りがして、深呼吸をすると、マイナスイオンがたっぷり!

しっかり歩いて、お腹をすかして、さて夕食はいかに?!1階の広間には大きな薪ストーブに火が入れられ、ぽかぽか暖かい。先ほど来たカップルも降りてきて一緒に暖を取りながら、少しおしゃべり。新婚旅行で、ベニスから来たとのことだ。ご主人の方がずっと若く見えるので、姉は、お母さんと息子だと思ったらしい。奥さんは、英語があまり上手ではなくて、イタリア語なまりで、ゆっくりゆっくり、言葉を探しながら話す。

食事は、メニューを見て、前菜、メイン、デザートを選ぶ。どれも美味しそうなので、それぞれ違うのを頼んで、シェアして、少しずつ楽しみましょうということに。前菜で、焼きたてのパンを、数種類のディップソース(写真)に浸けて食べる。バージンオリーブオイル、色々なハーブや香辛料、それにサンドライドトマトのディップ。どれもとても美味しい~!でも食べ過ぎて、メイン料理が入らなくなっては大変・・なりそう。メインのお料理は、ラム肉、サーモン、ビーフから選ぶ。ラム肉は、もちろんここで育ったラム。
トマトスープ(美味!) 
フェタチーズ(Feta cheese)とキューリ、トマトのサラダ
食事の後、中年の女性(どうやらここの女主人らしい)が出てきて、”ゲリー”が、敷地内を、案内してくれると言う。8時過ぎで、外は暗くて寒い。”ゲリー”が、イタリア人のカップルと我々を、マイクロバスに乗せて、空の見えるところまで連れて行き、真っ暗闇の中で、星の説明をしてくれる。月の光が明るすぎて、星はあまり見えない。ブッシュの中からは、カエルの大合唱が聞こえてくる。カエルが育つということは、ここの池の水がすごくきれいだということなんだそうだ。皆、寒くてブルブル震えているのに、ゲリーは半ズボンに、トレッキング用の靴といういでたちで、寒くないのかしら?この気さくなおじさんが、ここのオーナーで、植物環境学博士?!?姉は、テレビ見た博士は、もっとかっこ良かった、きっと案内のおじさんよ、と、私の耳元で囁く??このゲリーおじさん、「明日朝、7時半に、起きて来たら、森の探索に連れて行く」そうだけど・・・・・

2010年12月9日木曜日

NZの隅々を旅するの記9-6a

10月1日 Franz Josef Glacier
今日も良い天気。 10時前にホテルをチェックアウト。午前中、フランツジョーセフ氷河(Franz Josef Glacier)を見に行くことに。町から車で5~6分。歩いて行く人も多い。(参考:Glacier は、米語でグレイシアだけど、NZでは、グラシアと発音する)
駐車場に車を停め、ガイド標に沿ってブッシュの中に作られた歩道をしばらく歩いた後、眼前に突然岩だらけの広々とした荒野?が広がり、遥か彼方の山間に氷河らしきものが見える(左写真)

エ~~~!!あんな遠いところまで歩くの~~~??!!と、一瞬足が止まったけど、往復約1時間と言う道標を見て、意を決して歩くことに。400年程前は駐車場のずっと、ず~っと手前の道、数キロのところまで氷河だったとか。この氷河の末端は、海抜240メートルのところにあるらしい。サザンアルプス(Southern Alps)には、氷河期最後の名残りである、大小おおよそ3,000の氷河が残っているそうだ。
歩いている岩場もかつては氷河の下だったのだ。気候の変化で、氷河は、後退、前進を繰り返し、毎日変動しているという。このところ地球温暖化で、氷河は、1日に70センチ位後退しているとも言われている。

周りの山は、あちらこちら雪解け水が滝となって流れ落ちている。けっこうたくさんな観光客が氷河目指して歩いている。中には、登山の装備をしたいくつかのグループが、ガイドの案内に従い向かっている。

やっと氷河の末端 (
*terminal face:左写真) に、たどり着くと、手前の小高い丘に登って行く人たちがいる。登山装備をしている人も軽装の人も登っているようだ。丘の手前にロープが張ってあるけど、入ってはいけないとは書いていない。以前の旅行で、フォックス氷河(Fox Glacier)に行った時は、氷河を目の前にしてロープが張ってあり、進入禁止の立て札があった。泥混じりの灰色の氷河の一角がチラリと見えただけでがっかりした経験がある。*参考文献:1905年当時の写真

今回は是非とも近くで見たいと思い、意を決してこの小山を登り始めた。ふもとから細い螺旋状の、肩幅ほどの道が、けもの道みたいに作ってあるだけで、もちろん、手すりも何もない。かなり急傾斜だ。降りて来る人がいると山側に身を寄せて道を譲らないと通れない。姉は、「行きは良い良い、でも、帰りが怖い」と、途中でギブアップしてふもとに戻った。

ここまで来てあきらめて帰るなんて!と、ゴロータイ?に鞭打って、登り始めた。でも、意外にも、この、人が踏んで作ったような細い道の傾斜は想像したより緩やかだ。

それでも、ヘ~ヘ~息絶え絶えに、やっと登りつめてホッとしたところで、山の反対側には、降り道があり、降りた所にある岩場で、本格装備をしながら、何やらガイドの話を聞いているグループが。そこからは、ガイドなしには行けない。

丘の上からは、氷河の奥の方までかなり良く見える。







目の前に、氷河目指して登り始めたグループが。彼らを見ると、やっぱり、氷河歩き専用の装備をして、一度は、氷河のクレパスやら、何やら、覗いて見たいという思いに駆られる。この辺りに見える氷河は、泥が混じってきれいじゃないけど、中心に行くと、氷が光の屈折で青い色をし、とてもきれいだそうだ。

(写真:丘の上から、歩いてきた岩場の道を望む)ということで、それなりに満足して、丘を降りる。降りるのは、あっという間だ。次回来た時は、氷河は、もっと後退しているのだろうか・・いや、いつまた来れるか分からないから、これが見納めかも?・・・と、昔氷河だった、岩のゴロゴロした道なき道を戻りながら、地球の行く末に思いを馳せる。
ランチをして、午後から、ガソリン満タンにし、出発。目指すは、アーサーズパス(Arthur's Pass)。ここからは、3~4時間?の予定。

2010年12月7日火曜日

NZの隅々を旅するの記9-5

9月30日 Wanaka~Franz Josef
テカポ最後の朝、少し早起きして、朝日が昇る湖の変化を楽しむ。

チェックアウトは、夕べ済ましているので、きれいにお部屋を片付けて、お宿の日記帳に、お礼を記して、早めに出発。今日は、ワナカ(Wanaka)を通り、フランツジョーセフ(Franz Josef)まで行き、そこで1泊の予定。

国道8号線(State Highway No.8)、トゥワイズル(Twizel)を通り、リンダスパス(Lindis Pass)の曲がりくねった峠を越える。ブッシュに囲まれた道は、ほとんど車も通らない。

平地に下りたところで、"cattle crossing" の看板が立てられていて、ストップ。羊の大群が目の前の道路を、大方通り過ぎて、右の丘の上を一斉に同方向に向かって大移動している。車の右前を見ると、最後の2~3匹が道を駆けて丘の上に上がって行く。

こういう場面に遭遇すると、車は、のんびり最後の羊が渡り終えるまで、行列を作って待つことになる。でも、NZでは、突然の家畜の大移動で交通遮断されても、誰もイライラすることはない。急ぐ旅じゃなし、のんびり待つのも、NZ旅行の醍醐味の一つだ。

やがて6号線に入り、ワナカ(Wanaka)へ。ここで、ランチタイム。

レイク・ワナカ(Lake Wanaka)は、レイク・ハウェア(Lake Hawea)と、平行に流れている大きな湖だ。秋の湖面に映る柳の景色がよく絵葉書に利用されている景勝地だ。テカポに比べるとかなり賑やかで 、規模の大きなワナカの街。でも、街に面した湖は、絵葉書とは程遠い景色だ。街を出て長い湖を左に見ながらドライブしていると、家も何もない自然の中で、その柳の美しい景勝地を見ることができる。

長いワナカ湖を左に、ハウェア湖(Lake Hawea)を右に見ながら6号線を走ると、やがてハーストパス(Haast Pass)。この峠を抜けると、やがて西海岸が見えてくる。ハースト(Haast)のインフォメーションセンター(Visitor Information Centre)に寄り、トイレットタイム。ここは、素敵にお庭をアレンジしてあり、2階には自然環境に関する展示場があり、休憩するのにもってこいの場所だ。お土産品も置いている。利用して何も買わないのは申し訳ないので、景勝地のポスターを3枚購入。

ここから、西海岸(West Coast)を左に見ながらドライブ。年間通して多雨地域だけに、小雨が降り、樹々がしっとり濡れて、趣があって良い感じ。

フランツジョーセフ(Franz Josef)に着いたころには、お天気も良くなった。ホテルは、ロフト
(attic / loft)のある2ベッドルームアパートメント式ホテル、Punga Grove(写真)。1泊(195ドル)だけで、明日はアーサーズパス(Arthur's Pass)に向かう。この町は、以前の旅行で泊まった、フォックスグラシア(Fox Glacier)よりは、少し規模が大きいようだ。

ここも、スーパー、ではない、ミニ・マーケット、Four Squareで、朝食用に果物やミューズリ(muesli:シリアル)などを買って、ホテルに戻り、また出かけて、近くを散策しながら、さて、夕食はどこで?小さな町を探索しながら一回りしたら、お宿の並びに戻ってしまった。結局、お宿のすぐそばの山小屋風カフェレストラン、Alice May Bar & Restaurantで食事。カフェレストランは、どこもお決まりのメニュー。特に食べたくなるものもなく、いつものようにチップスとか、サラダとか、3品ほど取ってシェア。

明日は、氷河探索。