2008年5月23日金曜日

語学学校と日本の若者 3

コメントいただいた語学学校の意義について少し書いてみたい。NZの語学学校は、その60%がAuckland に集中している。本来、NZの語学学校は、bridging school と言って、英語を第1言語としない人が英語を学び、 IELTS(国際英語力試験)を受けて正規留学の資格を得るところだが、実際、日本人の場合、Working Holiday (ワーホリ)システム を利用して来て語学学校に行く若者がその大半ではないだろうか。ワーホリは、18~30歳以下(NZの場合)の若者に受入国が最長1年間働きながら滞在できるビザを発給し、大いに異文化体験をして成長してもらおう、という目的で数カ国(現在9カ国)が協力して行っているシステムだ。このシステムは、NZでは 制限 があるので語学を学ぶという点では中途半端な「経験する」だけのものになるだろうし、仕事は、主に、日本食レストラン、fruits picking (果樹園で果物収穫の仕事)、女の子だと、オーペア(住み込みで子供の世話をする)など、英語が得意でない日本人の職場は少ない。

ワーホリシステムを利用して異文化に触れる機会を与えられた若者は、大いに世界を見て、聞いて、何か掴んで帰って欲しいと思う。 だが、単に親元から羽根を伸ばして遊びまわっている若者も多いのではないだろうか? NZのテレビ番組、移民局が不法滞在者などを摘発していくドキュメンタリーで、日本の女の子が不法入国で日本に強制送還された事件が on air されたことがある。それまで、この番組で摘発されているのは中国や、東南アジア系の人たちばかりで、日本人は見たことがなかった。彼女は、ワーホリで1年間NZに滞在した後、ビザが切れ、一旦オーストラリアに出国し、3日ほどでまたNZに入国しようとして取調べを受けたということだった。

NZは、最長9カ月まで訪問者ビザを延長できるが、その後、9ヶ月間は入国できないことになっている。ワーホリの場合、条件を満たせばもう3ヶ月の延長は可能だが、彼女はそのビザも持っていない。違法入国だと言う係官の説明があまり理解できないのか、かなりトンチンカンな受け答えをする。係官は、彼女はあまり英語が理解できていないようだと、通訳をつけて違法だということを説明する。何故またNZに入国しようとしたかの問いに、「妊娠しているので相手の Kiwi のボーイフレンド(?)に会いに戻って来た」という。相手は、全くそのことを知らないと言う。旅の恥は掻き捨て?なのか、わびれる風もなく妊娠していることを何度も繰り返す彼女に、日本人も変わったものだと、妙に感心してしまった。結局、その彼に会えるわけもなくそのまま日本に強制送還された。

この彼女は稀な例かもしれないが・・・Auckland の Queen street を歩くと、たくさん日本の若者がかたまっておしゃべりしているのに出くわす。「お金な~い!」「親に電話して送ってもらおうか・・・」「教材費が要るって言えば?」「その手はこの前使ったしね~」こんな会話が聞こえてくる。

この子達の日本の親御さんは、自分の子供は海外で英語が ”ペラペラ” になって帰ってくる、と期待しているんだろうな・・・と、やりきれない気持ちになる。もちろん、専門的な勉強をしてその技術を生かしてNZでそのまま働いている若者も多数いるし、頑張ってdiploma(大学(4年間)の卒業証書)を取得した若者がいたのも知っている。青い眼の子供を生みたいと、海外にボーイハントに行く日本の若い女性が多いと聞くが、願わくば、妊娠というお土産を持って帰った女の子も、ワーホリで何か学び取って次への飛躍のステップにして欲しいと思う。

2 件のコメント:

hiroppe さんのコメント...

日本の若者は平和ボケしている人が多いせいか、物事を簡単に考えすぎています。全ての若者が全員そうではないのですが、残念です。しかし、他国語を話すって言う事は、ある意味何か特別のセンスが要るような気がしてなりませんがどうでしょうか?

Silvereye さんのコメント...

ワーホリでNZから中近東に行ってイラクに入って殺された男の子もきっとそう感じたに違いないけど、平和な国に住んでいられる幸せは外国に行ったらすごく感じると思います。人口の比率からしたら、NZの方が日本より犯罪率高いそうです。
英語に限らず、語学能力以前に話す内容を持っていないから話せない場合が多いような気がします。日本人は流暢そうにしゃべっていても考えや意見を聞かれたらとたんに静かになることが多いというのは自分の考えを持っていないからで、語学のセンス以前の問題じゃないかと思います。外国の人は、つたない日本語を使っても、我先に何か言いたがりますよね。また、これからまた仕事で忙しくなるのであまり書けないかもしれないけど、頑張って書きますので時々見てくださいね。