2009年7月22日水曜日

Weatherston's case

裁判の公開
今月7月8日に、1年前、ガールフレンド(オタゴ大学を卒業したばかりだった)を、口論の末、彼女の家の部屋で、はさみで刺し、死に至らしめ、その後もナイフで216回メッタ指しにしたという同オタゴ大学講師Clayton Robert Weatheston の裁判が始まり、このところ、毎日のようにテレビやラジオで、この事件の裁判の様子が取り上げられている。

日本でも、「裁判の公開原則」と言う法があり、誰でも裁判を傍聴することができる。でも、裁判中の写真を撮ったりはできない。新聞やテレビで、スケッチが公開され、解説される。ここNZでは、全部ではないが、特に大きな事件は、裁判の様子がテレビのニュース番組や時に特別番組で公開される。

証人の宣誓から、被告への質疑応答まで、私たちは、裁判所に行かなくても、まるで、映画の裁判風景を見るように、詳細を知ることができる。顔を出したくない人には、もちろんぼかしが入っているが、泣いたり、叫んだりする姿は、はっきり映される。最後に陪審員がGuilty(有罪) 、Not guilty(無罪) と、宣言するところなど、映画そのものだ。

殺されたSophy(22歳)の母親が、証人席に立ち、事件が起きた日の様子をつぶさに語る。Weatherston の元カノが、顔はぼかしで、Wartherston の人柄などを語る。Weatherston が、表情も変えず、淡々と事件について語る様子や、自己弁護するシーンが画面に大写しにされる。彼は、「ソフィーに挑発された末にやったことで、殺人(murder)ではなく故殺(manslaughter)だ」と、詫びれる様子も無く主張する。検察側は、彼は、完全に正常な精神状態でソフィーを216回も刺し、良心の呵責も感じていないからと、殺人罪適用を主張し、一方弁護側は、彼は、異常な精神状態で自制心を失っていた、として故殺罪(過失致死罪)を主張する。

テレビで、良心の呵責も無く?堂々と、故殺罪を主張している彼を見ると、背筋に冷たいものが走る。小さい時から、頭脳明晰で、オタゴ大学でPhD(博士号)を取得したいという野心があったという。一方でナイフを、護身のためにいつもコンピュータのケースに入れて持ち歩いていたという。表情に、人間らしい感情は何も見られない。裁判で、感情的な判断は絶対してはいけないことだが、既に息の絶えたガールフレンドを200回以上も切り刻む異常性を陪審員はどう裁くのだろう。(7月21日までの記)

昨日は、その結審の日だったが、今日に持ち越され、午前11時20分、国中が固唾を呑んで見守る中、11人の陪審団は、故殺ではなく、殺人罪で有罪の評決を下した。

日本での裁判の様子は、実際に裁判を見に行かない限り、テレビでも、ニュースで内容が知らされるだけで、臨場感はない。見世物では決してないけど、これから陪審員制度が実施される日本もこういった裁判の様子をつぶさに見れば、国民はもっと裁判に関心を持ち、陪審員としてどうすべきかを、学ぶことができるのではないだろうか?

2 件のコメント:

hiroppe さんのコメント...

パソコンがぶっ壊れてしまって長いことブログを読むことが出来ませんでした。今日やっと復旧しました。なんとなくパソコンを使っているけど、いざパソコンがへそを曲げてしまったらもう全くのお手上げ状態!情けない事!早速裁判のブログに目を留めました。これからは日本も陪審員制度が導入されます。しかしながら、もう息絶えた恋人(?)を200回以上も刺すなんて異常性格としか思えません。どこの国にも怖い人は居るものですね!異常だ!

Silvereye さんのコメント...

おひさ!
またパソコンがご機嫌ななめ?私は、パソコン3台変えてるけど、まだ一度も問題起こったことないですよ。たまに、ウイルス発生とかで、オタオタしたことはあるけど、何とか自分で収めて・・・

日本は、裁判を傍聴券(権?)を取得するために、並ぶというけど、中にはバイトを使ってマスコミがその傍聴券を買うって・・・だから、ごく一部の人にしか、公開してないということでしょ?英国も、スケッチだけで、写真は撮らせないそうです。

9月に、彼は刑を言い渡されます。殺人の何級に当たるか、挑発されたということが、殺人の言い訳にならないよう法を変えようとか、今、あれこれ取り沙汰されています。