2008年10月20日月曜日

NZの隅々を旅するの記3-別編

             (Cape Reinga の標識)

北島の北端までドライブの旅
1週間ほど間を置いて、また、北の方へ行く機会が訪れた。今度は、NZにロングステイする日本人の知人のSuga さんの運転する車で、やはり日本からのショートステイのHisako さんと3人で最北端のCape Reinga まで、一泊二日のドライブ。Suga さんの車は、ベンツでとても快適だ。太平洋に面したビーチを右手に見ながらState Highway1(国道1号線)を北上し、要所要所で寄り道していく。好きな時に好きな所へ行けるのがドライブ旅行の醍醐味だ。Auckland City から Takapuna、Albany、Orewa、温泉のあるWaiwera、Warkworth と快適に車は走る。と、対向車線を走って来た車が、ライトをピカピカ点滅させるのに気付いた。もしや??と思うまもなくその後方からパトカーが走ってきた。そのパトカーは後方でU-ターンして私たちの車を追跡してきた。止まれ!と合図している!!!3人とも英語は解らない振りをしようと話し合って、覚悟を決めて道路脇に pull over (停車) する。と、背の高いハンサムなお巡りさんが出てきて、運転しているSuga さんに 、 "Do you
understand English?" とか、聞いている。それに "No" と答えているところが何ともおかしい!!結局、30 キロオーバーで230 ドル罰金を払わされる羽目になったそうだ。何故、反対車線から来たパトカーにスピードが分かったの??の疑問にそのお巡りさんは「センサーがついてるから」と、答えたそうだ。へー、NZのパトカーも結構進んでる~!!と3人で妙なところで感心してしまった。
NZは最高速度100キロで、狭い道や曲がりくねった山道でも郊外の道路はほとんど100キロで走れる。物理的に100キロで走れるわけがない狭い山道のカーブのところも(命が惜しくなければ)100キロで走ってもいいのだ。Passing Lane(追い越し車線)の手前400メートル、200メートルと言った風に、それを知らせる標識が出ていて無理な追越をしないよう警告している。これはとても良い方法だと思う。

罰金の件で意気消沈したものの、気を取り直して、また、100キロ以上にならないよう気をつけながら一路北へ。午後1時過ぎに、お腹がすき、ファンガレイ(Whangarei )のヨットハーバーでランチタイム。Cafeでカプチーノだけ頼んで、Hisako さん心尽くしのお手製お弁当を開いて美味しいおにぎりなどをほおばる。NZ の Cafe の人々は大らかで、持込みで食事をしたからといって咎めたりしない?(それとも、あまり大っぴらにするので何も言えない?)ようだ。コーヒーを運んできたウェイトレスのお姉さんがおにぎりを見て "Cute!!" と言って笑顔(?)で去っていった!

Whangarei を出てカウィティ(Kawiti )というところにある土ボタルの洞窟glow worm cave に行った。ワイトモ(Waitomo) の土ボタルほど有名ではないが、マオリの歴史に深く関係したこの洞窟は一見の価値がある。土ボタルの数こそワイトモ にはかなわないが、間近に糸を引く光る土ボタルを見ることができる。洞窟の中に流れる小川には、大きなうなぎ(*NZのうなぎはすごくでかい!直径10センチ体長1メートル以上なんてざら!)やザリガニが主のように住み着いていて、(マオリ族の首長の夫を殺し、この洞窟に逃げ込み住み着いたという勇ましいマオリの女性の伝説を話してくれ、その女性を先祖に持つという)ガイドの女性が、エルビス、マイケル、ティナ(Elvis、 Michael、Tina) などとそれぞれに名前をつけてかわいがっている?ようだ。洞窟を出て原生林の散歩道を歩いて案内所に戻るコースも趣があっていい。

泊まった所は、ケリケリ(Kerikeri)。前回のパイヒア(Paihia )より少し北に位置する美しい町だ。今回は行き当たりばったりで、モテルを探した。町の入り口に見つけたモーターロッジ (motor lodge) は、5エーカー(1エーカー≒1,224 坪)の敷地内に、6つの独立したcottages が建っていて、それぞれのコッテージに は、名前がつけられている。周りは美しい花や樹木で囲まれ、すばらしい環境の別荘風ホテルだ。Robinia(花の名前だそうだ)という名がつけられた私達の泊まったコッテージは、2-bedroom とキッチン&ダイニング、シャワールーム、トイレットで、175ドルだという。シーズンオフで既に安くしているというのを試しに値切ってみたら、気持ち割り引いて170ドルにしてくれた。値切って申し訳なかったと思うほど、すばらしい所だ。小鳥がさえずり、美しい花が咲き乱れ、よく手入れされたお庭から、裏庭へ行くと、一見熱帯雨林を思わせる椰子の木が密生したブッシュの隅にアジサイが、もう5月だというのにひっそりと夏を惜しむかのようにまだ、枯れずに見事に花を咲かせたままでいる。dinner はちかくのsupermarket で買ってきた食糧と持参したおにぎりなどで済ませた。長い夜をラジオから流れる音楽にあわせ Hisako さんと私はダンスに興じて盛り上がる。夜中に、誰かがトントントントン壁?か屋根をたたく音で目が覚め、眠れなかったのには閉口したが、後で聞くと、どうも夜行性の鳥 (nocturnal bird)? の仕業らしい。

翌朝、ガラス越しにまぶしい朝日を背中いっぱいに受けながら、Suga さんが早起きして準備してくれた豪華な!?朝食をゆったりとした気分でいただき、10時にチェックアウト。目指すは、北島の北端、Cape Reinga だ。遅い出発で時間がないので、途中の90-mile Beach は割愛し、ひたすら北端に向かって走った。途中、給油で立ち寄った小さな町、カエオ(Kaeo)。外で待ってると給油所のお姉さんが出てきて親切にもこの町のマオリの史跡について解説してくれた。やはり、田舎に行くほど人々は親切で暖かくてうれしくなる。

Cape Reinga の灯台には、Tokyo 8,831km、 Sydney 2,160km、 London19,271km、 Vancouver 11,434km などと標識がそれぞれの方向を向いてポールに取り付けられている。8,831km 先にある東京を遥かに望みながらしばし物思いにふけってみる。崖の下はゴツゴツした岩場。その周りが白く波立って覗き込むと思わず吸い込まれそうな気分になる。日本なら自殺の名所になりそうだな、と考えてしまう。

帰りはAwanui の Ancient Kauri Kingdom のレストランで遅いランチを摂り、その横にあるカウリの木の工芸品店を見て回った。店の中心にある大きなカウリの木をくりぬいて作られた、二階につながるらせん状の階段は圧巻だ。

Auckland まで6時間ほどかかる。既に日が落ちて暗いカーブの多い山道を走ると濃霧(fog)で1メートル先もよく見えない。100キロどころか、10キロくらいのノロノロ運転で緊張の連続だった。NZは12月頃は、夜9時頃まで明るいので遅く帰っても大丈夫だが、冬は5時頃日没になるので行動範囲も狭まる。それを計算に入れて旅行をしなければいけない。
北島の北の方面にはまだまだ訪れて見たい素晴らしいところがたくさんある。また、機会を作って気ままなドライブ旅行をしたいものだ。
(これでNZの隅々を旅するの記3は終わります。次は、南島West Coastの旅です。)

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