2009年6月19日金曜日

Anti-smacking referendum

体罰禁止法に国民投票
NZの犯罪法59の一部改定法案として、体罰(smackingをどう訳す?)禁止法案(anti-smacking bill)が、2005年に、国会に持ち出され、賛否両論で国中が熱く論争、反対デモが起こったり、メディアも視聴者の意見を募ったり、物議をかもした。


この法案の言い出しっぺは、緑の党(Green Party)のSue Bradford 議員で、2005年7月27日、この案を特別委員会で審議にかけることが国会で通過した。そし2007年6月16日に、この論議を呼んだ anti-smacking bill は、ついに国会を通過。

2007年の総選挙前で、労働党はこの法案に否定的だったにもかかわらず、緑の党の支持を得るために賛成に回り、この案は通過した。選挙前、ヘレンクラーク首相と国民党のジョン・キーは、妥協して、「体罰の訴えが起訴するだけの根拠あるいは正当な理由があるかどうか警察の慎重な判断にある。」という項目を加えることで一致した。

従来の犯罪法59では、親が子供に暴力を振るっても躾(correction懲戒?)といえば法で守られ罪にならないが、この殴っちゃいけない法が通れば、親が、子供を躾の一環として殴っても罰せられることになる?

体罰禁止法案が国会で通過し、犯罪法59が改定された後も、反対派によって、なお民意を問う国民投票への陳情署名(有効票310,000)が集められ、陳情諮問委員会は、国民投票を行うに必要な有権者の10%(285,000)の署名を満たしたということで、国民投票を実施することになった。総選挙の時同時に民意を問うという案を、当時の政府(ヘレンクラーク首相)は蹴り、1年以内に実施するということで、今年(ジョン・キー首相)に持ち越されたという推移がある。

今年の8月の初週に投票用紙が有権者に郵送され、「躾の一環として親が与える体罰がNZでは犯罪になるのか?(Should a smack as part of good parental correction be a criminal offence in New Zealand?)」と言う質問にYes かNoで答える国民投票が行われる。この郵送での投票に9百万ドルかかるとあって、それも物議をかもしている。結果的に、”No”が多くても、政府に改正案を元に戻す義務はないというが、元々、反対派だった国民党が、体罰禁止法を撤回することも有り得る?

個人的には、体罰で子供を矯正できるとは決して思わないが、時に愛のムチも必要な時があるかもしれない。逆に教師や親が、この法を逆手にとって訴えられることだって起こりかねない。体罰禁止法がなくても、犯罪法で虐待と思われる体罰は訴え罰することができるはずだと思うのだが。smackingという言葉自体、とてもあいまいだ。どうやって、誰が、犯罪的行為か、愛のムチの範囲か判断するのだろう。

世界一平和な国として評価されたNZ...子供の体罰賛否論争熱も国が平和だという証し?・・・いずれにしろ、私も、有権者のひとりとして、8月の国民投票の結果はいかに?と、とても興味深い。

2 件のコメント:

hiroppe さんのコメント...

本当に難しい問題、私も子供が小さい頃躾としてダメッと手をたたいたり、お尻をペンペンしたことがあります。但し決して拳固で殴った事はありません。何処を、何をさかいに暴力となり虐待となるのか難しいですね。昔は教師からでも叩かれたものだけどね・・!

Silvereye さんのコメント...

ほんと、昔は教師に殴られても、親は決して口出ししなかったけど、最近は、教師がちょっとでも手を出そうものなら、たちまちPTAで問題になる?!!で、生徒が逆に教師に手を出すようになってきて?

躾のために殴ることが罪になるか?と質問されてYESと言えます???で、No.にすれば、虐待が放置されそうだし?この質問って、非常にtrickyですよ!!