2009年6月5日金曜日

David Bain's case

NZの裁判制度
渦中の人、David Bainは、15年前、1994年、に家族5人、両親、二人の妹、弟、を銃殺したとして殺人罪に問われ、有罪の判決を受け執行猶予なしの*最低16年の実刑判決を受け、刑に服していた。彼は、無実を訴え続け、上告するが却下された。元All Blacks のメンバーとして活躍したビジネスマンのJoe Karam が彼の無実を訴え、支持する人たちも現れ、何度かの再審請求の末、今年3月6日に再審が始まった。3ヶ月に亘る裁判の末、今日6日、彼は陪審(jury)によって無罪の評決を受けた。
 *最低:と言うのは、本人のその後の態度などを見て刑が軽減され16年で済むという可能性もあるということだそうだ)

この再審裁判は、国中の注目を集めて始まった。証人の証言によると、彼の父親Robin は、評判の良い、真面目な教師であったが、娘のLanietと近親相姦(incest)の関係にあり、彼女は、父親を憎み、売春婦をして、家庭内はすさんでいたという。父親が銃で家族を殺し、自殺したと言う弁護側と、David が5人全部を銃殺したと言う検察側との攻防の結果、結局、証拠不十分ということで無罪になった。

この再審裁判が結審するまで、NZの裁判史上最高の1千万ドルもの費用がかかったという。NZの裁判は、Court of Appeal(上訴裁判所 )で結審しない場合、その上のPrivy Council(枢密院)に訴えることになる。この枢密院が、最終的にこの再審を認めて今回の裁判に至った。この最高機関である枢密院は、英国のロンドンにある。従って、すごく経費がかかることになる。これから、Bain への15年間の補償も支払われることになれば、もっとかかるということで、警察の初期捜査の甘さを指摘する声も多い。

今回の裁判で、初めてNZの裁判制度のことを少し知った。独立国家NZ・・・でも、実際は、英国の女王の名前の下に全ての式典が行われ、裁判の最高機関が英国にあるのでは、英国の植民地?と錯覚してしまいそうだ。
参考:http://www.nzherald.co.nz/

2 件のコメント:

hiroppe さんのコメント...

やはりNZでも冤罪の問題は在るのですね!日本でも今月になって、逮捕から17年半振りに無罪釈放になった人がいます。足利事件と称されているもので、事件の内容は4歳の女の子が悪戯されて殺害された事件でした。これと言う決め手になる物証が無く旧型DNA鑑定のみで犯人とされました。厳しい取調べに耐え切れず、検察側の思うままに自供を余儀なくしてしまったが、彼も最初の裁判から無実を主張していました。再度のDNA鑑定を請求しても今まで聞き入れてもらえませんでした。現在のDNA鑑定は4兆分の1と言う正確さを持っているため再度のDNA鑑定が決定したその瞬間から結果を待つことなく彼は無実になると喜んでいたそうです。勿論鑑定の結果は本人とは不一致と言う結果がでました。自分の人生を返してくださいと訴えていました。犯人とされている人が服役中にもDNA鑑定を請求した時は、たとえ費用がかかろうとも裁判所はその要求を満たすべきではなかろうかと強く思いましたね!

Silvereye さんのコメント...

人間が人間を裁くことはできない・・・全て神のみがご存知の事実。でも、裁判員制度ができて、その一員に任命されたら、裁かなければならないのですよね。日本も今からそれを経験していくのでしょう。大変だ!

15年前の殺人事件を、有罪と裁いたのも裁判員、今回無罪にしたのも裁判員、その時々で、状況が変わり、多分、その時点で、最大の努力が払われたんでしょうけど・・・冤罪を無くすためには、少しでも疑わしきは罰せず・・しかないのかも・・・