2010年12月20日月曜日

NZの隅々を旅するの記9-7

10月2日 Wilderness Lodge 1
夕べ、ゲリーが、7時半に森の散策に連れて行くと言っていたのに、誰も起きなかった。私は、小鳥のさえずりとともに目が覚め、朝日が昇るのをベランダからしばし眺めて楽しんだ。外は、吐く息が白くなる程寒い。半月が真正面に。自然を満喫してください、と、言わんばかりに、お部屋には、テレビもインターネット接続の設備もない。文明から離れて、こうやって、
自然の環境を満喫できる、何というぜいたく空間。

昨日は、途中で戻ったので、朝食後、また、森を散策に出かけた。広大なブッシュの敷地内には、道標があり、番号の通りに歩いて行けば、迷うことなくホテルに戻れるようになっている。

樹の香りで一杯のしっとりとした森の中は、生して、これまで雨が多かったのだろう、あちこちに水たまりができている。 でも苔の上に座ってもお尻が濡れないから不思議だ。

若草色の苔の絨毯を踏みしめると、ふんわりと柔らかい。


丘の頂上から、見降ろす。空には、ぽっかり、エイのような形をした雲が。

アーサーズパスの辺りで、おそらく一番素晴しい環境を独占しているに違いない。ホテルの建物の周りの敷地は、羊を飼っている広大なファームだけでなく、いくつもの山も含まれる。これだけの土地(*6千エーカー)を管理するのは、大変なことに違いない。姉が着けていた万歩計は、1万4000歩ほど歩いたことになっていた。
(参考*1エーカー=4,046.86㎡=約1,224坪)

ホテルに戻ると、お昼時。昼食は付いていないので、サンドイッチを注文。レタスやトマト、チキン等はさんで、とても分厚くて美味。ラウンジで食べていると、年配のカップルが入ってきた。新客だ。イタリア人カップルは、1泊だけで、今朝、次の目的地に向けて発った。季節はずれで、我々だけかと思ったら、けっこう、こんなオフシーズンでも、お客がいる。やっぱり、人気なんだ。


ゲリーが出て来て、「今朝は、待ってたのに出て来なかったね~。今から、森の探索に連れて行きましょう」と言う。エ~~、今、あんなに歩いて来たばかりなのに~~!!、と思いながらも、また出かけることになった。

ちなみに、気さくなおじさん、”ゲリー”は、やっぱり、Dr.Gerry McSweeneyで、エコロジストでバイオロジストの博士号を持つ方だった。博士、失礼しました!(^^;)ゞ。

フロントにいたりして、時々、お世話くださるおっとりした中年の女性は、奥さまで、名前は アン(Ann Saunders)、教師だそう。ふたりで、1981年、モエラキ湖(Lake Moeraki)で、ウィルダネスロッジ経営を始め、アーサーズパスのこのロッジ共、経営しながら、自然環境保護の観点から、宿泊客に、植物や動物への関心を高める体験をさせてくれる。NZの自然環境保護団体の重鎮だ。


今回は、先ほど着いたカップルも一緒だ。アメリカから来たと言う。このロッジは、博士の名と共に、国際的に、高く評価されているようだ。


ゲリー博士の指示に従って、アメリカ人カップルと我々の二グループ一緒に、道標に沿って道をたどっていると、突然、ワンワンワンワン、犬の吠える声。見ると、黒白の犬が、一生懸命我々に向かって吠えている。どうやら、自分に付いて来いと言っているようだ。彼?彼女?に付いていくと、そこにゲリーがいた。ゲリーが、テスだと紹介してくれた。彼女、テスは、牧羊犬で、ご主人様に絶対服従の、とても賢い犬だ。



(写真:ブナの木)ゲリーは、我々が今朝歩いた森の道をまた案内すると言う。今度は、あちこちで止まりながら、植物の説明をしてくれる。これで、ブナの木(Beech tree)がどれかやっと判った。今年は、寒過ぎて、まだ新芽には早すぎるそうだ。ざ~~んねん!

ブナの大木の母木(mother tree)は、その下に宿ったたくさんの子供の木々を、過酷な太陽や雨風から守り、やがてその使命を終えると、朽ち果て倒れて、若木の栄養となり、命を譲り渡すのだそうだ。若木も、たくさんの中から強い木だけが残り、弱い木々は、朽ちて倒れ、次代を担う若木の栄養となるという。


ヤドリギ(Mistletoe)の説明、ヤドリギには、2009年、2008年、1992年…といった具合に、根付いた年が書いてある。赤や黄色の花が咲く。花が咲くのは12月頃らしい。ヤドリギも宿を貸した木も、お互い助け合い、共生しているのだそうだ。棘で覆われた木がある。小鳥から実を守るために棘が発達したそうだ。苔もあれこれ種類がある。 (写真のヤドリギは、3年目のもの)


大木の割れ目に、大きなキノコ?これ、猿の腰かけ?日本に持って行ったら高く売れるんじゃ??

あちこちに、ブナの老木が朽ちて倒れている。朽ちた枝葉は、腐葉土となり、倒れた枝木や、幹は、ストーブの薪にも利用される。植物のライフサイクル、自然の仕組みは、ほんとに驚嘆だ!

ゲリーは、いちいち紙に書いては説明してくれる。博士は、心底、植物が好きらしい。言葉は、左の耳から入って右へとたちまち消えて行ったけど、やっぱり、何も知らずに、ただ眺めるだけとは、大違い。植物の一つ一つが、一段と生き生きと見えてくるから不思議だ。色んな自然界の仕組みを学ばせてもらって、自然を大切に守らなければ、と言う気持ちになってくる。

ブッシュを降りて、清流を左に見ながらホテルの方に歩く。この清流の水は、ホテルの飲料水、生活用水となっている。定期的にちゃんと水質検査をしていると言う(実際、ここの水は、ほんとに美味しい!)




ゲリーは、今度は、右のブッシュに入る。と、眼前に、大きな池が突然現れた。水が澄んで、なにやら透き通った丸いものがいっぱい浮いている。オタマジャクシ(Tadpole)になる寸前の、カエルの卵(Frog spawn)だそうだ。夕べのカエルの大合唱の素なんだ。

ゲリーは、池を離れ、ホテルは戻らず、今度は、広大なファームの中を通り抜け、ホテルと反対側の山に向かってどんどん歩いて行く(え~~、まだ歩かせるの~~?!)。展望の良い所に着くと、そこには休憩用に木のテーブルとイスが備えられていた。と、テスは、さっさと、そのテーブルの上に上がってお座り?・・ン・・??ゲリー曰く、「テスは、宿泊客といつもこのテーブルのところで記念撮影をするので、皆さんを待ってるんですよ。」で、我々も、テスと一緒に記念撮影。

この展望台から、道無き坂を下り、草地に出ると、やがて小川が行く手を阻む。向こうの山に行くには、ここを渡るしかない。足がやっと乗るほどの飛び石と、石の上に細い板を渡してある所を通らなければならない。水は浅いけど、靴を履いているので落ちないように渡るのは、大変だ。年配の足の悪いカップルには、少し酷なようだ。なのに、ゲリーは、お構いなし。皆に、その川を渡らせる。彼が手を貸したにもかかわらず、アメリカ人の奥さん、ジェーン(多分、そんな名前だったと思う?)は、片足落ちて濡れてしまった(写真:小川がゲリーの後に見える)。

川を渡ると、ゲリーはどんどん山を登って行く。ジェーンのご主人のアランは、杖を使いながら歩いていたけど、途中、挫折。帰りに落ち合うと言うことで、座り込んでお休み。

私たちは、ゲリーに付いて、山を登り、あれこれ、植物の説明を聞く。この植物博士は、もう、植物の話になると、夢中だ。可愛くて仕方ないと言ったように、樹を撫で、草を撫で、花を愛で、木に絡みついた柔らかい草を取っては、”髭(mustache)”だといってあごにくっつけたり(写真)、説明にいとまがない。

写真は、400年は経ったと推測されるブナの老大木。










丘の上からの眺め。真中あたりの緑の丘に続く並木まで広大な敷地。その向こうにワイマカリリ渓谷が見える。

ホテルに戻って、夕食。今日は、良く歩いた。朝の散歩と合わせて、何と、万歩計は、3万歩を越えていた!!!ふだん、よく歩いてもせいぜい7~8千歩。すごい!

3 件のコメント:

shun さんのコメント...

あれ、その宿り木はクリスマスの時にその下を潜るやつですか。あれって、宿り木だったのですか。で、どうして、その宿り木がクリスマスに登場するようになったの?

Silvereye さんのコメント...

クリスマスの飾りによく使われますね。

その下で男女がキスをしたら結ばれるとか?

遠い昔のキリスト教の聖なる木?詳しくは知らないけど、あれこれ説があるようですね。

shun さんのコメント...

時間があったので、宿り木とクリスマスについて調べました。なかなか面白いです。以下のサイトにかなり詳しく楽しく解説されていました。
http://victorian.fortunecity.com/rodin/485/dictionary/mistletoe.htm