2010年1月8日金曜日

年末年始の小旅行3

1月2日Stonehenge Aotearoa

カータートンの町から20分ほど車で行ったところにあるというストーンヘンジ・アオテアロア(Stonehenge Aotearoa)に、好奇心一杯ででかけてみた。町の中心から5分も走ると、周りは、目にさわやかな緑のファームランド。なだらかな丘が連なり、その裾野には若草色に萌える豊かな草原がどこまでも続き、夏向きに短く毛を刈り取られてみすぼらしく?なった羊たちが、草原に水玉模様のように点々と散らばり、のんびり草を食んでいる。広い牧草地に、冬の家畜の食料になる牧草が、丸く巻かれていくつも転がっているところもある。

平和な風景に、心和みながら走っていると、やがて、なだらかな丘の上にぽつんと立つ家が見えてきた。近付いてみると、窓もドアも屋根も朽ち果て、誰も住人はいない模様。まるで、ヒッチコックの映画「サイコ(Psycho)」に出てくる、ベイツ モテル(Bates Motel)みたいだ。

その丘の手前の細い道を左に曲がったところに、目的の建物はあった。車を止めると、すぐに女性が出てきて、あれこれ見学の要領を説明してくれる。案内所で入場料5ドル也を払うと、高い壁に備え付けの小さなモニターで、ストンヘンジ・アオテアロアのガイドビデオを見せてくれた。その後、道標に従って裏庭に出ると、石の丸い建築物が見えてくる。
Stonehenge Aotearoa は、もちろん、英国のストーンヘンジの単なるレプリカではない。2005年に、政府の援助を受け、NZの天体学関係者たちボランティアによって、古代エジプト、バビロニア、インダス流域の天文学、ポリネシア人の航海術、ケルト人やマオリ族の星座に関する伝承などを、取り入れ、南半球の条件に合わせ測量が行われ、天文学上正確に計算された上で、ストンヘンジが再現された。訪れた人々に、観光目的ではなく、そういった古代の人々の文化、天文学上の知識や生活のための知恵を理解してもらいたいという意図のもとに、建設された。

石のサークルは、英国のストーンヘンジと同じスケールで再現され、直径30メーター、24本の石柱から成っている。その周りの東西南北に立つオベリスク(Obelisk)は、それぞれ夏至、冬至、秋分、春分の日の出、日の入りの方向を正確に示している。サークルの中心に立って、声を発すると、音響効果があるのが分かるという。ヤホ~!とか言ってみる。なるほど、声が響いて聞こえる。


その他、アナレマ(Analemma)の図(写真上)、7人姉妹(Seven Sisters:Pleiades:スバル星の方角を示す:写真左)の石など、ポリネシアや先住民マオリの知識も取り入れられたこのストーンヘンジは、天文学や歴史に無知な私にも、もっと星座や歴史いついて知りたいという興味を湧かせてくれた。

案内所に戻ると、そこに髭の男性が。壁に張っているポスターの写真の創設者のひとり、NZ の著名な天文学者Richard Hall 氏だった。彼は、新たに訪れた数人の若者のグループに熱心に解説している。天文学関係者たちの熱い熱意を感じながら、ストーンヘンジを後にした。さて、私の天文学熱、どのくらい冷めずに続くでしょう???

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