2011年1月8日土曜日

NZの隅々を旅するの記9-8c

10月3日午後
2.毛刈りの実演
その後、いよいよ、ゲリーの毛刈りの実演。
毛刈り小屋(shearing shed)の外の、柵の中には、羊が一杯押し込まれている(写真左)。草は、生えていない。ここで、毛刈り前の羊たちは、3日間飲まず食わずで過ごすんだそうだ。そうしないと、毛刈りの時、糞や尿で、大変なことになるらしい。

小屋の入り口の囲いから続いた中には、羊用の通路があり、3日間絶食済みの羊が、毛刈りのために待機させられている。中に入ると、毛刈り用の舞台みたいになった台があり、その向こうはドア。そこから、通路にいる羊を入れ、刈ったら出すのだ。舞台と反対側の壁際には、刈り取られた毛が入った囲いが、いくつかある。それぞれ名前と等級が表示されている。アーサーズパスは、NZで最も高地にある集落で、メリノ羊を育てるのに最適の所だそうだ。ここ、ウィルダネスロッジは、最高品質のmerino fine woolの生産を誇っている。
細い繊細な毛ほど、品質の良い毛で、メリノウール製品の原料用に輸出。NZブランドのicebreaker、イタリアのアルマーニ(ARMANI)、その他アメリカや日本(メーカー名?忘れた・・)など、有名メーカーと契約して、卸しているそうだ。最低の品質のものは、中近東に輸出され、カーペットの原料になるという。
ゲリーが、1頭のメリノのメス羊(ewe)を、舞台の後ろの扉から連れて来た。ここでは毛刈りに、電気バリカンを一切使わないそうだ。海抜700メートル以上の高原では、暑い夏でも、夜はとても寒いことが多いので、年中、外で過ごす羊を寒さから守るため、毛を短く刈ってしまう電気バリカンではだめだそう。ある程度毛を残して切るためには、手ハサミを使って毛刈りをするから、大変な重労働に違いない。

見ると、舞台の上から、ブランコみたいな皮の輪が、いくつかぶら下がっている。腰を傷めないよう、この輪に身体を預けて刈るんだそうだ。小屋には、マーキュロ?らしい殺菌剤が備えてあり、羊も人間もハサミで、傷ついた時、これをぶっかけて消毒するとか。

すごく良く切れそうな大きなハサミで、「まずは、足から」と、ゲリーは、あれこれ説明しながら刈っていく。プロは、1頭6分ほどで刈ってしまうけど、ゲリーは、10分かかるとか。羊は、実におとなしく、じっと動かず、されるがままだ。でも、途中、ピクっと2度ほど動いた・・皮膚を切られたな?!と、思ったとたん、羊のお尻から、黒いものが~~!!
ウンチだ~~!!!羊は、緊張のあまりお漏らししたんだ。絶食させなければ、大変なことになると言ってた意味が良く解った。何百頭もの羊をどんどん刈って行くんだから、たちまち台は糞だらけになってしまうに違いない。
首のまわりを切る時は、一番緊張するそうだ。一人ひとり、試しに、ハサミを持たせてちょっぴり刈らせてくれる。写真は、ジェーン。ちなみに、私は、左利き、と言ったら、ハサミは右利き用だから、だめだ、と言われ、させてもらえなかった。o(´^`)o
刈り取られた毛の内側は、まっ白!どの羊も灰色か、茶色いのでそんな色の羊だと思っていたら、何と、実は、毛は真っ白だったんだ!年がら年中、外で過ごす羊たち。寒さから守るために脂で覆われた毛がドロドロに汚れるのも無理は無い。納得~~!
ゲリーに刈られた後の真っ白な羊!!と、待機している羊たちのこの違い!!!!


3 件のコメント:

SK さんのコメント...

刈られたばかりの羊は本当に白いし、
緊張しておもらしをしてしまう羊も面白いですね。

hiroppe さんのコメント...

やっぱり毛を刈るって言う事は羊にとっては凄くストレスなのでしょうね!刈り取った後の羊と刈り取り前の羊とは、使用前、使用後の違いですね。本当に真っ白、羊は「今までの私は何だったの」と思ってるみたいな気がします。勝手な想像ですみません。

Silvereye さんのコメント...

刈られる間中、羊の心臓が、パクパクしている音が聞こえるみたいです!

それに、刈る方も、緊張~~!!!で、汗びっしょりのようですよ。