2009年12月17日木曜日

Medical system in NZ

NZの医療制度
(写真左:近所にあるマオリの集会場施設、マラエ)
NZでは、ファミリードクターとしてGP(genreal practitioner:一般開業医あるいは内科医)を決めて、登録しなければならない。病気になれば、そのGPを通して、薬の処方箋を出してもらったり必要であれば、検査や入院、手術をする専門施設、病院、あるいは専門医を紹介してもらうことになる。でも、公立の病院は、無料だが、順番待ちで待たされる(何日も待たされるとか?)ので、待てない人は、私立の病院にかかることになる。
GPは、登録した患者の診療費を申請して保健省に補助金を請求する。補助制度がある点では、日本の健康保険制度に、似ているが、基本的に、診療料金に、決まりはない。つまり、自由診療なのだ。政府は料金設定に介入しないので、いずれかのGPに登録していないと、高い料金を取られることになる。
(写真左:マラエに併設されたクリニック)
NZ保健省は、2002年7月に補助金を増加したのに伴い、GPに診療費を下げるよう要請している。要請に従い、治療の内容によっても違うけれど、6歳未満は無料、6~17歳は10.50ドル、18歳以上は16ドルとしているGPもいるとのことだ。一般的には、35~60ドルくらい。ちなみに、我がファミリードクターは、普通35ドルだから、良心的なようだ。

NZの国民、あるいは永住権を持った人であれば、GPの出した処方箋を持って薬局で、処方してもらえば、特殊な薬を除いて、6歳以下は無料、普通は3ドル。一部、収入の少ない人は、申請すれば無料になったりする。

歯科は、まったく自由診療で、高い料金を取られる。歯科に関しては、日本の保健制度は、すごく有り難い。歯の治療が必要になった時は、飛行機代を使っても日本に帰って治療を受けた方が安上がりのこともある。

でも、逆に、日本では、簡単に病院で診てもらえるために、本来、安静にしておけばいい、自然治癒しか治療法がないようなちょっとした風邪の症状でも、すぐ医者にかかる傾向が強い。日本だったら、風邪を引いて、5日も高熱を出したら、肺炎を疑い、入院して検査や治療を受けるところだけど、この国は(と、決めつけてはいけない?)簡単には、医者にかからないように見える。

家人が肺炎を起こして、1週間高熱でウンウンしたあげくに、やっとオミコシあげて診察を受けに行ったけど、GPは、簡単な聴診器の診察だけで、胸のレントゲンを撮ることもなく、10日分抗生物質を出しただけ。10日経っても下がらないので電話で予約して行くと、診察なしで、5日分の抗生物質を処方してくれた。結局、薬が効いたのか?自然治癒なのか?わからないまま、3週間も自宅療養の末、どうやら治まった。知人も、6週間、風邪を引いて、具合が悪いと聞く。でも、やはり、自宅療養のようだ。これが、ごく普通のNZ人の医療に対する対応なのだろうか?

久しぶりで帰国した日本で、まず驚いたのは、外出先でも、家庭でも、どこにでも消毒スプレイが置いてあり、マスクをしている人がすごく多いということだった。NZも新型インフルエンザは蔓延していたけど、消毒スプレイも、マスクした人も見たことがない。この国では、風邪くらいで病院に行ったという話を聞いたことがない。気にしない、気にしない、の、のんびりした国民性の表れなのだろうか?

でも、良い点もある。GPは、必要に応じて、1年にあるいは半年に1回とか、血液検査やその他の検査を受けるようにとの通知を患者に出す。この検査料は(公立の施設で受ければ)無料だ。定期的検査によって、早期発見早期治療を目指し、重篤の病気を予防し、医療費の無駄使いを防ごうという政策のようだ。

それに、事故でけがをした場合(肉体的精神的両面で)は、ACC(ACC:Accident Compensation Corporation:事故補償委員会)のuniversal accident insurance scheme (NZ国内で起きた事故に伴う治療費の一部や補償金を負担)により、非永住民(観光客など)でも、治療は無料だ。ただし、損害賠償の訴訟はできない。これは、訴訟にかかる費用や時間を節約しようという政策のようだ。

日本では、氾濫する健康情報に国民は振り回されている。ある食品が健康に良い、とマスコミが煽れば、たちまち、次の日には、その食品が店頭から消えるという、摩訶不思議な現象が起こる。評判の医者を探して、はしごする。検査浸け、薬浸けの医療、何時間も待って3分の診療、などなど・・・その陰で医療関係の裁判沙汰がすごく多いという・・・

日本の国民健康保険制度・・・NZに住んでいると、この制度、すごくありがたいと感じる。でも、一方で、赤字にあえぐ健康保険制度の実態。NZの、節約?医療システムに見習うべき点も大いにありなのかも?

2 件のコメント:

hiroppe さんのコメント...

こちらでは、勝手にホームドクターと決めて30年来、ずっと家の家族が診てもらっている内科医がいます。主人の仕事上のお得意さんの医者です。彼は風邪のときなどは、薬は出さないし、注射もしてくれません。「自分で治れ」の一言、その代わり患者の小さな変化は見逃しません。主人も、私も大いに助かっています!最近こんな医者が少なくなってきました。でも、健康保険制度は助かっています。日本人は病に対しては超過敏症だと思います。何だか主体性がないみたいですね。

Silvereye さんのコメント...

まともな医者なら、風邪に効く薬なし!と言いますね。

クリスマスホリデーで、GPが休暇に入ると、緊急の病気の時(私の経験ですけど)、シティドクター(救急時のクリニック)に行きます。すると、(収入の少ない人は無料になる)カードのない人は、75ドル取られます。薬も、3ドルでなく、18ドル取られました。GPが休暇中は、病気もできません!!