2011年7月7日木曜日

Manawatu Careers Expo 2011




職業博覧会
7月3日(日)~4日(月)の2日間、Arinaで、Careers Expo(職業博覧会)が、開催された。マナワツ地方は、学園都市で、たくさんの学生が学んでいる。その学生たちも、卒業すると、仕事がなくて仕事を求めて、外に出て行く者が多い。そう言った若者をくい止めるために、企業や組織が職業紹介をしようというもの。



月曜日は、主に高校卒業予定の学生が団体で来る日。我々移民雇用促進プロジェクトのクラスも、団体で参加することに。1時15分にアリーナに集合。8人ほど集まり、講師のシーラと一緒に各ブースを回る。



会場入り口に陣取っている羊たちとウール。Tectraは、ウール産業界で働く人の教育と訓練をする学校。






Department of Conservation NZ  政府の自然と歴史保護管理部門









career NZ 政府の求職者のための職業取得援助機関







CIDESCO エステティシャン 国際認定校 エステティシャンが希望のクラスメートのオーマ







制服を着たセカンダリスクールの学生たちが、たくさん来ている。今年卒業する生徒たちが、進路を決めるために参考にするのだろう。


これまで、職業訓練を受けて感じたことだけど、日本とNZの教育制度の大きな違いは、この辺りにあるような気がする。

NZは、セカンダリー教育(日本の中学、高校に当たる)を終わる生徒に、国と自治体や教育機関が一体となり、子供たちの進路を決めるためのサポートプログラムがすごく充実している。 生徒が卒業後の進むべき道を見つけるために、Star & Gateway というサポートプロジェクトがあり、学校はその専門の指導者(gateway coordinator)を置いて、生徒を指導する。就職をする、あるいは、仕事に着くため専門の技術を身につける学校に進む、学究のためアカデミックなコースへ進むなど、多岐にわたる道を生徒が選択できるよう、職場見学をしたり、Career Expoを開催したり、きめ細かい指導をする。



Tertiary education(大学、専門学校など)に進学するのも、農業、工業、社会福祉関係、アート、音楽、エステティシャン、ナニー、看護師、手話技術、動物関係、航空関係、騎手、などなど・・・書ききれないくらい多岐にわたる充実した教育プログラムがあり、それに進むためにはどうしたらよいか、細かなガイドラインがある。あるいは、通信教育で学こともできる。




NZでは、学歴を言う時、XXX 大学出身(東大出とか慶大出とか・・・)です、など、最初に言わない。大学でXXX(化学を、あるいは環境学をなど・・)を専攻しました、と言い、なお聞かれれば、XXX大学です、とは、応えるかもしれないけど・・・。何を学んだかが、問題であって、どこを出たかは、まったくその人の学歴に関係ないのだ。



日本はどうだろう?私の経験では、高校は、成績で振り分けられ、生徒の好みなど関係なく、成績が特に優秀な生徒は、医学部、薬学部、あるいは、有名大学の有名学部、そこそこの者には、そこそこの大学(学部なんて関係ない・・大卒という経歴が欲しいだけ?)に行くことを勧められて進学。卒業しても、専攻科目に関係ない所に就職する(ならまだ良いけど、何をしたら良いのか分からずフリーターする者が多い?)。成績が悪い者は、中学、あるいは高校を卒業して就職・・・優等生と劣等性に振り分けるだけの教育制度だったような気がする。結果、頭が良いだけで、心のない、医は算術の医者が大手を振って闊歩し、劣等生は、何をしていいか分からないまま、人生をウロウロする(私のこと?)。



もっと生徒の個性を大切にし、才能を伸ばせるよう指導をしたら、ニートや、引きこもり、万年フリーターなどが、激減するに違いないと思うんだけど・・・日本の政治家は、お互い足の引っ張り合いする暇に、もっとすべきことがあるだろうに!



就職訓練を受けつつ、Careers Expo を見つつ、我ながらずいぶん遠回りをしてきた・・・いや、今からでも遅くない?・・・自分の進むべき道を見つけねば?・・・何をいまさら??・・・などなど、複雑な思い・・・にかられている。

4 件のコメント:

hiroppe さんのコメント...

これって凄くいい制度、羨ましいです。私はNZに済んでいたら、羊の毛で糸をつむぐ勉強がしたいです。いろんな好きな色に糸を染めて、素敵な生地にしたり、素敵な糸にしてみたい。でもそんな都合の良い講座はないのかなぁ・・・?
本当に教育が充実していますね。私達は人格ややりたい事などには全く関係なく、成績でクラス分けがされ、夢も希望もなかったような気がします。大学を卒業してみれば、あまり目立たなかった人が日赤の看護婦長をしてたり、成績上位とは全く関係ないところにいた人がパイロットになってたりしています。
今思うともっと教育について政治がしっかり考えて欲しかったと思います。
貴女は、凄いですね、まだ何かをやろうとしている・・・!
私は卓球ばかりしていて、これで良いのかなぁと考えてしまいます。

Silvereye さんのコメント...

hiroppeさん
農家で、羊を飼って毛を刈って、紡いで染めて、あんで売って・・と言った一貫してやっているところがあります。学ぶところはたくさんあるようです。ぜひ、来て、やりたいことやってみてください!

年配者にできることは、経験を生かした社会福祉関係でのアドバイザーとか・・・カウンセラーとか・・向いていると思います。資格がいるので、心理学とか勉強したいなと・・・思ったりして・・

SK さんのコメント...

今日ネルソンからオークランドに戻って来ました。ネルソンはとてもきれいですよ。クィーンズタウンとはまた違う美しさがあります。気候もブレナム(Blenham)と並んで、NZで最も晴れの日が多い所です。その為、全国からネルソンに芸術家が移り住んで工房を開いています。私の記憶が正しければ、陶芸家だけで60人以上がネルソン周辺にいます。私の友達のダリル・ロバートソン(Darryl Robertson)は陶芸兼画家で、先日も彼の工房に行きました。彼の家からは青い水の入り江と大小の緑の岬が望めます。

土曜日にネルソンの青空市場に行きました。そこにも自分達の芸術作品を売っている人が大勢いました。その中に日本人の芸術家も出店していました。彼はボーンカービングをしています。牛の骨で、主にマオリの神々や伝説に基づくお守りのようなものを彫っています。なかなか高価な作品で一つ平均100ドルほどしていました。他にも同じようなものを売っている店があるので、商売は厳しいのではと、推測しました。彼は日本で新聞社だか出版社に勤めていて、11年前に家族とネルソンに移り住みに来たそうです。そしてネルソンのポリテクニック(大学の様に様々なコースを教えています。学士号や修士号を取れるコースを持っているポリテクニックもあります)で、このボーンカービングを習得したそうです。

私のネルソンの友達で、MIT (Manukau Institute of Technology)、オークランドにあるマヌカウ・ポリテクニックのコースを教える学校の責任者をしている者がいます。彼はNZのSkillsUpDate という会社の社員です。この会社はNZのポリテクニックと契約して、ポリテクニックのコースを地方の中規模の都市などで教える仕事をしています。この会社が学校を運営して、そこでポリテクニックのコースを教えます。すると生徒はNZ全国のポリテクニックのコースを地方の都市にいながら学習して、資格や学士号などを習得できるわけです。

ネルソンに住む、私の義妹は求職カウンセリングをしています。本社はウェリントンにあるのですが、彼女は自分で小さいオフィスを開いています。彼女は求職者が、これから就職面接に行く会社の情報を集めて、面接に聞かれそうな質問を20ほど用意します。そして、約一時間面接の模擬をします。それぞれの質問に的確に答えられるように準備します。

また、オークランド在住の韓国人の友達はオークランド大学の入学課に勤めています。先日、彼女といろいろ話をしました。彼女は医学部と薬学部への入学希望者の中から書類選考して、面接に通す人を決めています。医学部は大学の顔なのにアジア人がそんな大切な仕事を任されていることに、冷たい視線を感じることもあるそうです。それだけに、仕事を完璧にこなそうと、日夜努力しているそうです。
以前私がNZに住んでいたころは、ポリテクニックをアジア人は高く評価していなくて、ポリテクニックに行く生徒は大学に入れなかったのが理由だったようです。
しかし、NZ人がポリテクニックを選択するのは、そこに自分の学びたいコースがあるからで、不必要な学科を学習しなくてもいいからだそうです。そのように学校のレベルや名前で学校を選ばないのがNZだったと思います。その入学課に勤める友達によれば、オークランド大学の学生の半数はアジア人だと言っていました。
やはりアジア人の大学偏重かと思いましたが、そうではないようです。彼女の話によれば、アジア人の親は子供に好きな道に進ませるそうですが、NZの親は、子供に親の望む進路を選ばせるそうです。医者の子供は医学部に、弁護士の子供は法学部に、と子供の意思を無視して強制するケースが多くて、それが後に問題に発展することもかなりあるそうです。アジア人もNZ人も以前とは違ってきたようですね。

今度はイギリスの教育システムについて。私の家内の勤めるインターナショナルスクールに、毎年、イギリスから半分ボランティアで英語の教師の助手としてやって来る人が何人かいます。皆高校卒業生で、大学入学までいろいろな理由で一年仕事をしにやってきます。毎年優秀なのが多いですが、去年来た一人は、オックスフォード大学とケンブリッジ大学に入学許可をもらいましたが、本人は人間工学を専攻したいそうで、人間工学はロンドン大学がいいので、ロンドン大学に行くつもりだそうです。イギリスの高校の教育システムは主にAレベルというものです。これは高校入学時に学生自信が履修科目数と履修科目を決めます。余り勉強したくない生徒は2科目や3科目しか履修しません。授業のある時だけ登校します。もちろん大学に進学したい生徒はある程度の科目数を履修して良い成績を取らなければなりません。こんな具合ですから、高校の卒業証書などありません。入学時に選択した科目はそのまま卒業までずっと学習します。選択しなかった科目はまったく高校で学習しません。これは専門教育のようです。例の彼は、例えば化学を選択しました。先日化学のついての質問をしたら凄かったです。アップルサイダービネガー(リンゴ酢)はアンティオキシダント効果(体内の酸性を中和する効果)があるかどうか尋ねたところ、親指と人差し指で◯を作って、あちこちに指を動かし始めました。分子構造をイメージしていたのです。で、「うん、効果ある」と言いました。紙にその化学反応の構造を書いて詳しく教えてくれましたが、なんかよく分りませんでした。化学はこれほどなんですが、例えば歴史や地理など高校で学習しませんでしたから、私の方が知っているかもしれません。これがイギリスの高校教育です。なんか知識の偏りで私は好きになれません。数年前に、当時イギリスのヴレア首相が、このAレベルをやめてIB(インターナショナルバカロレア)の教育を勧めました。このIBというのは世界共通の教育プログラムで、このプログラムで卒業時に何点をとったかといえば、世界どこでもその人の能力が分ります。私の学校(家内とは別のインターナショナルスクール)でもこの教育プログラムをしています。でも日本の教育プログラムの方がいいですね。広く浅く学習する方がいいと思います。例えば、私の娘が歴史の授業で、イスラエルと周辺国家の短い期間の歴史を半年も学習していました。深く学んで、歴史的事象を考える応用能力を育てようとしていますが、やはり基礎知識がないことにはだめだと思います。イスラエルの事は話せても、例えば、インドシナの事が全く話せないのでは困ると思いますから。

そんな訳で、日本の教育はなかなかいいと思います。

Silvereye さんのコメント...

SKさん

色々、ネルソンのこと、教育のこと教えてくださってありがとうございます。

日本の教育は、高校まで一応全教科勉強させる?はずですけど・・・果たしてそうでしょうか?私は、高校2~3年生から、苦手教科は、スキップして、進学する大学の受験科目だけ勉強すればいいということでした。数Ⅲ、化学、物理、世界史の時間は、図書館で勉強していいということで、したがって歴史は、受験に必要な日本史だけ、世界史は取らなくてよかったので、何も知りません。

そんな教育を受け、また、大学で、教養科目とかで、2年間、どうでもいい教科を取らされ、一体、何を勉強したのか、全く、大学卒の名が泣く状態で、その後も何をしていいか分からず、フラフラした人生を送りました。

自分に意志が弱いと言われればそれまでですけど、やはり受験勉強偏重教育の弊害は大きいと思います。

少なくとも、NZの教育は、伸び伸びしていいと思っています。