皿洗いの後、濯ぎますか?
15年ほど前、NZに来て2週間ほど英国移民の家にホームステイした時、最初のカルチャーショックは、食器の洗い方だった。
シンクに溜めたお湯に洗剤を入れ泡だらけにし、そこに汚れた皿やカップをごったに入れ柄付きブラシでごしごし洗った後、シンクの横の溝の付いた水切りに載せ、泡の付いたままのそれらを布巾で拭いて、収納場所に納める。
あるいは、泡だらけのバスタブに子供を入れてシャンプーをして、その後、泡だらけの髪の毛から体まで、バスタオルで拭き取ってお終い。食器も身体も”濯ぎなし”だ。
その後、15年経っても、ほとんどの英国系移民の家庭では、いまだにこの大英帝国の伝統的”濯ぎなし”を踏襲しているのを身を持って体験してきた。
一番新しい経験として、今週の水曜日、U3AのCurrent Affairs (時事問題)Groupの集まりに行った時のこと。
この日は、主催者の方の家庭に不幸があったため、急きょ、ある街の集会場(community centre)を借りて行われた。10時に始まり、いつものように活発な意見交換の後、モーニングティー。
12時に会が終わって、カップなどの汚れものを洗う手伝いをしようと、キッチンに行った。会員の英国系の上品な雰囲気のご婦人が二人、多分、当番なのだろう、後片付けを始めていた。
シンクには、お湯が貯められ、たっぷりの泡が・・・悪い予感がして、私は、急いでカップやお皿をシンクに入れ、さっさと洗ってしまおうと企む。柄付きタワシでカップや皿類を洗い終わった後、栓を抜いて泡だらけの水を流し、水を出して濯ぎ始めた・・・とたんに、血相を変えたご婦人のひとりが、駆け寄ってきた。以下その会話:
彼女 "何をしてるの!!?"と叫んで、またシンクに栓をした。
私 "濯いでいます"
彼女 "Waste(もったいない)!全部洗ったの?!"
私 "はい。洗ったので濯いでいます"
彼女 "Waste!!"
私 "でも健康のためにも濯いだ方が・・・・"
彼女 "・・・・" 無言。またブラシでゴシゴシ洗いだした。
私 "でも、広いお庭にあれだけ水を撒くのだから、wasteとは言えないのでは??(余り良い例ではなかった・・)" と、食い下がる。
彼女 "・・・・" 完全無視して、ひたすらゴシゴシ。
こりゃダメだ!かつての大英帝国の誇りを引きずり、黄色いアジア人の意見など、聞く耳は持たない、と言いたげに、”Waste”を2言言っただけで完全拒否だ。私は、"Thank you for your hard working"と言って、早々に退散した。
水不足が深刻なオーストラリアでも、英国系移民の間では、この"濯がない習慣"は生きている。節水のため・・・「ならば、衣類も、洗濯した後濯がずに干したらどうだ~~!」と言いたくなる…いや、あの時、そう言えば良かったと後で思ったけど・・・(too late・・時事問題のトピックに持ち出そうかしら??)
でもね~~、この"濯がない" 英国移民の子孫たちも、結構長寿なのだ。この前も、100歳のお祝いとかで、大家族に囲まれた英国系のおばあちゃんの写真がフリーペーパーに載ってたし・・・~~;
いったい、食器類に残った洗剤が身体に及ぼす影響って???日本では、手荒れとか、アトピーとかは、報告されているけど、洗剤が皮膚に及ぼす影響で、身体の中に食器と共に直接入ることについての研究は?探したけど、見つからない。
世界で一番清潔な国日本の国民は、清潔にし過ぎて免疫力が弱くなってきている?
"health paranoid country Japan!"とNZの医者にも言われた位、確かに、日本のテレビ番組やインターネットは、健康に関する情報をこれでもかとばかりに流し、国民は、その流れに乗らなければ、健康を害す!癌になる!と、右往左往?
でも、例え、健康にさほど影響は無い?としても、世界一繊細な舌を持った国民?の一人を自負する私個人としては、やっぱり洗剤が残ったままのグラスで、カップで、ワインやコーヒーを飲みたくはない・・・
(参考:"漱がない"ことに関しての面白い書き込み)
http://forums.egullet.org/topic/41408-dishes-no-rinsing-in-water-after-washing/
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