4月25日は、ANZAC Day (Australia and New Zealand Army Corps)。赤いポピー(Flanders poppy)のエンブレム(左写真)を胸に付け、この日はあちこちで戦没者慰霊祭が行われる。
今朝一番のニュースで、そのAnzac Dayのサービスのために、ウェリントンに向けて、RNZAFオハキア空軍基地(Royal New Zealand Air Force//Base Ohakea)を飛び立った3機の空軍ヘリコプターのうちの1機が墜落して、乗員4名のうち3名が死亡したという悲報。とてもショックな出来事だ。
今日の慰霊祭の催しの一つとして、5年半の歳月をかけて、昨年3月に修復完成された、第2次世界大戦で活躍した英国製の戦闘機、スピットファイア(SPITFIRE) が、パーミーから22キロほど西にある、そのオハキア空軍基地から飛び発ち、Manawatu 地方の上空を旋回すると言う。
3月のタオヌイ航空ショーで、お目見えするはずだったけど、悪天候で取り止めになった曰くつきの戦闘機を、今度こそは見ようと、興味津津、出かけて行った。まずは、Palmyの中心、スクエア(Square)上空を、10:58amに旋回すると言うので、スクエアへ。
慰霊碑の前には、たくさんの花輪が捧げられ、戦争で身内や知り合いを失くした人々が祈りを捧げている。やがて、戦闘機らしき飛行物体が遠く上空を2回ほど旋回して去って行った。
その後、11時からPalmerston North 空港で2時間ほど一般公開し、またOhakea Air Baseに戻るというスケジュール。近くで戦闘機を見ようと、飛び立つ30分前、12時半に空港へ。
空港の前の空き地が、駐車場として開放されていた。既に、たくさんの人々が、カメラを抱えて、spitfire の周りを取り囲んでいる。
風もあまりない、良いお天気。離陸5分前に戦闘機はブルンブルンとエンジンを始動し、きっかり13:00に動き始めた。長い滑走路をゆっくり進み空港のはるか向こうから青空に飛び立った。すぐに大きく旋回しながら戻ってきて、空港の上空をアクロバット飛行しながら何度か旋回し、拍手喝采の中、Ohakeaの方向にかき消えて行った。
かつて、戦場でたくさんの人々を殺戮してきたであろう戦闘機が、平和のシンボルとして、蘇った。 No More War!
ここは、パ-ミーにあるマッシー大学(Massy University)の、航空学科(School of Aviaton)の練習場にもなっている。NZの大学で、マッシー大が唯一、航空学科を持ち、優秀なプロのパイロットを育てているそうだ。
家族に連れられて見に来ていた男のたちは、興奮気味。私も、Spitfireを見てちょっと興奮。男の子の気持ちが、ちょっぴり分かったような気がする。
夕方のニュースで、慰霊祭に参列した年配の方の、戦争で亡くなった方を想い、「(殺した)日本を一生許さない」という言葉に、胸が痛んだ。憎むなら、どうか、戦争を憎んで、と願わずにはいられない。