2011年1月17日月曜日

NZの隅々を旅するの記9-9a

Wilderness Lodge 3
10月4日1.早朝バードウォッチング?

いよいよ最後の日だ。有効に残り時間を過ごしましょう、と、皆、張り切って早起き。ゲリーについてまたブッシュへ。ちなみに、このウォーキングコースは、Rainbow Nature Valley Walkと言う。(写真:ピンク色に染まる夜明けの空)

小鳥のさえずりの解説など、そっちのけ、ゲリーは、昨日通ったコースを外れて、苔生して、水たまりのある森の中の道無き道に、どんどん入り込んで我々を連れて行く。人が入らない薄暗い森の中は、細い清流、朽ちた枝で一杯で濡れないようにまたいで歩くのが大変。木の下は、一面、苔の絨毯。寝転んでみると、ホンワカ、暖かくて柔らかくてすごく気持ちが良い!
ゲリーは、ブナの木と、ヤドリギの説明に夢中だ。

NZのブナの木(Beech tree)は、常緑樹で、4~5年に1回、前年の夏が暑い(せいと考えられている)と、次の年には普段より大量の小さな赤い花を咲かせる(この年をMust yearと言う)。必然的に、この後、動物人口も激増する。花の後の実は、ネイティブバード、カカリキ(Kakariki) やケア(Kea) の食料となる。

ヤドリギは、ブナの木に、寄生して (parasitic) いるのではなく、共生して(symbiotic)いると言える。ヤドリギの花の蜜や実は、ベルバード(Bell Bird)を始めとするネイティブバードの糧となる。鳥たちが、ブナの木の種もあちこちに運んでくれ、お互いに利益を享受するから、共生なのだそうだ。

このヤドリギを好んで食べるポッサムのために、一時、NZのヤドリギは、絶滅の危機に瀕したそうだ。ポッサム駆除の努力で、その数が回復し、ここレインボーバリーに育つヤドリギの数は、国内最大数と言ってもいいほど、たくさん育っているとのこと。ゲリーがヤドリギの1本1本に宿った年を書いているけど、その年から推測するに、ヤドリギは、1年に10数センチしか成長しないようだ。

ヤドリギは、西洋では、クリスマスの飾りとして、用いられ、色々言い伝え(参考サイト:shunさんが調べてくれました)があるようだ。ゲリーは、大きく育ったヤドリギを「キッシングボール(kissing ball)だ」と、嬉しそうに撫でる。この木の下で、キスした人いるかな?

バードウォッチングを楽しめる森にするためにも、ブナの木とそのヤドリギの共生は、不可欠なんだな、と、改めて、ゲリーが、ヤドリギの宿った年を記して、大切に育てている意味が分かった。

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